③
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部屋に戻る車の中では一八にずっと肩を抱かれていた。
時折指先に力が込められるが、一八を見上げても素知らぬ顔。
触れられている部分が熱い。
そしてその熱に呼応するように体が熱くなっていくのを、止めることはできなかった。
「もう、大丈夫ですから…」
「大人しくしてろ」
車を降りると再び抱き上げられ、そのまま部屋に戻りベッドに下ろされる。
「あ、あの一八さん…」
「なんだ」
「いえ、なんでもないです…」
一八の目的を理解し恥ずかしそうに口をつぐむ可那子に、スーツの上着を脱ぎ捨てた一八が問いかける。
「お前もあんなもんじゃ満足していないだろう」
「そんな私は、…っ、」
「俺が触れるだけで熱を持つくせにか」
否定しようとする可那子だったが、伸ばされた一八の手に頬をなでられると何も言えなくなり目を逸らす。
「これは何を求めている」
一八は口紅を拭き取るように親指で唇をなぞり、そしてそこからこぼれる熱い息を確かめるように口づけた。
絡み合う舌が小さな水音を立て鼓膜をくすぐる。
同時に一八の手がドレスの裾から入り込み、その指先が可那子の中心部に触れた。
「…っ!」
可那子の体がびくんと震える。
そのままショーツの脇から滑り込ませた指をそこに呑み込ませ、
「ここは満足したとは言っていないようだがな」
離れた唇を耳元に寄せた一八が囁く。
「ど、うして今日はそんなこと…っ」
恥ずかしさで泣き出しそうになりながら、しかしそれでも可那子は一八の指を締めつけ、いい所をひっかかれて達してしまう。
「素直になれ」
その時、一八の唇からこぼれ落ちた言葉に可那子は荒い息のまま顔を上げた。
「俺が欲しいと言え」
見上げた視線を絡め取る紅。
「…っ」
ぞくり、体が疼き――涙が溢れそうなほどに胸の奥が苦しくなる。
「一八、さん…」
そう、あのくらいで満足なんてするはずがなかった。
…欲しい。
一八さんが欲しい――…。
抗うことなどできない衝動。
握りしめたままイったせいで皺の寄った一八のシャツをもう一度握りしめ、可那子は一八に噛みつくようにキスをした。
そして一八の首に腕を回し、更に深く口づける。
その後いったん唇を離すと、可那子は一八をゆっくりと押し倒した。
両脇に手をついて濡れた瞳で見下ろすと、その紅に吸い寄せられるようにもう一度唇を重ねた。
「…っ!ふ…ぁ、かず、」
と、それまでされるがままだった一八の手が可那子の首を押さえた。
重なったばかりだった唇が強く密着し、その隙間から一八は舌をねじ込む。
突然の動きについていけず、可那子はあっという間に口内を蹂躙されてしまう。
「…は、ぁ…あ、一八、さん…」
舌が絡み合い唾液が混ざり合う。
そのいやらしい水音が、体を更に熱くする。
ようやく唇を解放され息を吐く可那子を見上げ、一八は小さく笑う。
「もういいのか?」
同時にするりと頬をなでられた可那子は、ふるふると首を振った。
一八が欲しいという欲望は更に大きくなっていた。
可那子は一八のベルトに手をかけ、既に熱を持ったそれを解放する。
そして握りこんだそれに顔を近付けた時、すっと伸びた一八の手が可那子の顎を捉えた。
行為を止めた一八を見る可那子に、一八が言う。
「来い」
「…っ」
瞳を揺らした可那子は、するりと下着を脱ぎ一八に跨った。
「…っ、あぁ…!」
一八が自分の中を埋め尽くしていくのを感じながら、可那子はゆっくりと腰を落とす。
奥まで呑み込み息を吐くと、一八が可那子の体を引き寄せた。
伸ばした手で背中のファスナーをおろし、ドレスをはだける。
「ああ…っ、や、あ…っは、あぁ…っ!」
そのまま露わになった胸を揉みしだき腰を突き上げると、可那子はされるがままに上り詰めた。
その後は、一八の脇に手をつき可那子自ら腰を振った。
満足げに笑む一八に時折キスを落とすと、差し込まれる舌の熱さに腰が疼く。
「一八、さん…っ」
「っ、出すぞ」
可那子が切なげに懇願すると、呟いた一八が腰を掴み強く突き上げる。
「ああぁ…っ!や、一八さ、…――っ!!」
一八を体の奥に受け止めながら可那子も達し、もうそれ以上力の入らない体を一八の胸に預ける。
そのまま呼吸を整えながら可那子は、ふと目についた鎖骨にかぷりと歯を立てた。
「怒っているのか」
普段見せない可那子の行動に、珍しそうに一八が問いかける。
「怒ってはいないです、けど…」
「けど、なんだ」
「絶対バレてたと思います、恥ずかしい…」
可那子はその胸に額をすり寄せるように、いやいやと首を振った。
「は、そんなことを気にしていたのか」
しかし一八はそれを鼻で笑う。
「そんなことじゃ…っ、!?」
その時、反論しかけた可那子が何かに気付きわずかに戸惑いの表情を見せる。
それには構わず、可那子の腰を掴んだ一八は不敵に笑う。
「それよりお前、自分だけ満足して終わる気じゃないだろうな」
「え!?や、だって…っ、あ、やんっ!」
可那子の中の一八が再びそこを圧迫し始めていた。
「煽るようなことをするからだ」
「そんな私は…っあぁ、や、一八さん…っ!」
腰を抱いたまま体を起こし体位を変え、可那子を組み敷いた一八は間髪入れず律動し始める。
いつも通り強引だけどいつもとは少し違う一八。
その理由があのパーティーの中にあったことを、可那子は知らない。
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