①
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自分を優しく包み込む心地よい感触に、無意識に額をすり寄せる。
そこに髪を撫でられる感触が加わり、夢じゃないことを悟った可那子は目を覚ました。
久しぶりに感じるとてもすっきりした気分で、その腕の中から身を起こす可那子。
一糸まとわぬ自分の姿に少し焦ってシーツをたぐり寄せた時、見上げる紅と視線がぶつかった。
「ありがとうございます、一八さん…。取り乱してごめんなさい」
やはり申し訳なさそうに、それでも落ち着きは取り戻した様子の可那子に一八は少なからず安堵した。
「具合は悪くないのか」
「寝不足、なんですよ。恥ずかしいです子供みたいで」
隣に体を起こした一八の問いかけに、可那子は困ったように小さく笑う。
「……」
「一八さん?」
「ならば抱かせろ」
「え?」
黙ってしまった一八の様子を伺った可那子がその言葉に訊き返す間に、近付いた唇が重ねられた。
同時に抱き寄せられ、唇の隙間から舌が滑り込む。
「――…っ!」
瞬間、ぞくぞくとした快感が可那子の背すじを駆け抜けた。
伸ばした腕を一八の首に回し更に深く口づけると、溶けてしまいそうなほどの熱が体を包み込む。
一八は可那子を押し倒してその熱を帯びた体を開かせ、その中心に自らのいきり立つペニスを突き入れた。
愛撫など必要ないほどに濡れたそこは、一八を呑み込み逃さないようにと締めつける。
「あぁ、一八さ…一八、さん…っ!」
おかしくなりそうなほどに求めた一八の熱が、可那子を一気に昂めていく。
そして可那子が一八を求めたように、一八もまた可那子を欲していた。
可那子に出逢って以降、近寄ってくる女を適当に抱くことはなくなった。
可那子以外を求めない自分の変化を受け入れることと、可那子への愛を自身が認めることは同義だった。
一八は激しく抽挿を繰り返し可那子の最奥を突き捏ねる。
とろけそうに熱い可那子の中にきつく柔らかく締めつけられ、一八もまた限界が近いことを感じていた。
「や、ああっ!あ、一八さ…、私…っあ、ああ…っ!!」
「、…っ」
びくりと体を震わせて可那子はイき、同時に一八も可那子の中で達していた。
一八は荒く息をつく可那子の頬に手を添えた。
可那子が一八を見る。
「もう少し…付き合え」
「えっ、あ…やぁっ、かず、あぁ、あ…っ」
言うなり再び律動し始める一八。
先ほどの一八の白濁がかき出され、いやらしい水音が響く。
イったばかりで敏感になっている体は、あっという間にまた昂められていく。
「――…っ!!」
一八にしがみつき、時にはいやいやと首を振りながら、可那子は何度も達した。
そして、
「、可那子…っ」
一八は小さく可那子を呼んだ。
「…っ、一八、さ…あ、あぁ!や、ああ――…っ!」
その狂おしげな声音にぞくりとして、自分の中に注がれる一八の熱を感じながら可那子は、何度目かの絶頂を迎えていた――。
「タイムリミットか」
可那子を一度抱きしめた後そう呟いた一八は、ぐったりと肢体を横たえたままの可那子から自身を抜いた。
あれから十七時間が経っていた。
二十時間は本当にギリギリだと分かっていた。
お前は寝てろと言い残し、一八はシャワーを浴び身支度を整える。
予定をずらした分、戻りが遅くなるかもしれないと可那子にも予想はついた。
そして、自分をまた一人にすることを一八が少なからず心配してくれていることも感じ取ることができた。
可那子は一八の支度が終わるのを見計らってベッドから下りた。
ガウンを羽織りつつ、余韻でまだふらつく足で一八に駆け寄りぎゅっと抱きしめる。
「おい、」
「一八さんチャージ、完了です!私はもう本当に大丈夫ですから、お仕事頑張ってくださいね!」
どうした、と訊こうとする一八を遮り、顔を上げた可那子はそう言ってにこりと笑って見せた。
一瞬驚いた表情を浮かべたように見えた一八は、しかし次の瞬間には
「ああ、分かった」
そう言って可那子のあごに手を添えて身を屈め、唇に一つ優しくキスをする。
突然の、そして初めて見せる一八の行動。
驚いて固まる可那子に向かい勝ち誇ったように口角を上げて見せた一八は、
「行ってくる」
そう言い残し部屋を出て行った。
後に残されたのは、不意打ちの仕返しをされ真っ赤になった可那子一人、だった。
(13,9,30)
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