⑧
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「一八さん、今日は本当にありがとうございました。でもせっかくですから、二次会は二人だけでお花見をしましょう」
部屋に戻った後、可那子はそう言って部屋の外からある物を抱えて戻って来た。
「ごめんなさい、一本いただいてしまいました」
それは、花見の席でSPたちに頼んでおいた桜の枝だった。
この時間のために、可那子が無理言ってお願いしたものだった。
可那子だって一八と二人きりで花見をしたくないはすがなかったのだから。
だから、酒やつまみも一八の好みに合わせて色々用意してあった。
一八は楽しそうに準備する可那子をじっと見つめていたかと思うと、
「どうぞ、っ」
やわらかく笑いながらグラスを差し出す可那子の手首を掴み、ぐっと引き寄せた。
バランスを崩した可那子は一八の胸に抱き止められ、
「待っ、一八さ…っん、」
すぐさまその唇は一八のそれにふさがれる。
そして一旦離れた一八の唇から、次は可那子の口内へと酒が流し込まれた。
飲み慣れていない強い酒に、可那子の体は一気に熱くなる。
「俺は花より団子だ」
そう言って口角を上げる一八。
「…っ」
もう一度口づけられ、今度は舌を絡め取られる。
深く口づけながら後はもう、一八の思うままだった。
一八にされるがまま体を重ね、ソファにぐったりと横になったままテーブルの上の桜をぼんやりと眺める可那子。
一八がその体にふわりとガウンをかけてやると、可那子はありがとうございますと言いながら体を起こした。
そこに一八が腰かけ可那子の体を抱き寄せると、可那子は申し訳なさそうに訊ねる。
「やっぱり、怒って…いますか…?」
「そうだな、あれだけの男と楽しげに酒を飲まれては…、な」
言って、一八が口角を上げる。
一瞬目を見開いた可那子は直後ふふっとやわらかく笑うと、
「分かっていると思いますけど、私は一八さんしか見ていないですから、ね」
一八の首に腕を回して耳もとにそう囁き、その頬にそっと口づけた――。
(14,5,8)
3/3ページ