⑥
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日。
夜明けより少し早く目を覚ました可那子は、一八の腕の中からいつもよりだるく感じられる体をゆっくりと起こした。
けれどそのだるさは、いつもの、一八に抱かれた後の気怠さとは明らかに違っていた。
「…どうした」
気付いた一八が声をかけると、可那子はぼんやりとした瞳を一八に向けた。
「一八さん…体が、熱いです…」
一八はわずかに目を見開いた。
「なんだそれは、誘っているのか」
「、違います…っ」
分かっていて訊く一八に慌てて答える。
「ふん、自業自得だ」
くっくっと笑いながら一八は可那子の腕を引いた。
「一八さんは、もう大丈夫なんですか?」
「愚問だな。少し休めば治ると言ったろう」
「そう、ですか」
抱き止められた一八の胸の上で、可那子は安心したように息を吐く。
「おかしな奴だ、うつされたと怒ればいいものを」
「ふふ、一八さんが苦しいより全然いいです」
呆れ気味の一八の言葉にも、可那子は柔らかく笑って答える。
「そうか。ならば今度は俺が看病してやろう」
言いながら一八は可那子の体をそっと自分の横に下ろした。
「そんなっ!私は大丈夫ですから一八さんはお仕事行ってください、それに…」
「今日はオフだ」
「っ、それに私一八さんに看病なんて全然してあげられてないですし…っ」
途端に焦りを見せ体を起こそうとする可那子に、一八はぴしゃりと言う。
「お前には無茶はさせん。いいから眠れ」
「、はい…」
観念した可那子は抱き寄せられるままに一八の胸に顔を埋め…そっと、目を閉じた――。
(14,2,6)
2/2ページ