⑤
夢小説設定
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「おい、こんな所で寝ると風邪をひくぞ」
一八の帰りを待っているうちにソファで眠ってしまった可那子に、一八が声をかけた。
「……」
ゆっくりと目を開けた可那子だったが、眠りの余韻に浸るかのようにぼんやりとしている。
「どうした」
一八の問いかけに、可那子がぽつりと答える。
「夢を見る一八さんの夢を…見ていました」
「……」
「ごめんなさい、意味が分からないですよね」
分からない顔をする一八に小さく謝ってから可那子は、
「とても楽しくて、とても――…幸せな夢だったんです」
そう言って穏やかな笑みを浮かべた。
「…そうか」
それ以上聞き出そうとするわけでなく、かと言ってどうでもいいと思っているわけでもない。
夢を見て泣かないから、それでいい。
ただそう思い、小さく答えて可那子の頬をするりとなでる一八。
その手を捕まえて立ち上がった可那子は、一八の大きな体をぎゅっと抱きしめた。
いつものようにそのままの意味で、そして今はもうひとつの意味を込めて、可那子はその言葉を紡いだ。
「お帰りなさい、一八さん」
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