①
夢小説設定
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「――っ!!」
いつもの嫌な夢を見て可那子は飛び起き、夢と分かって安堵のため息をつく。
その時、部屋の扉が開いた。
「っ、一八、さん…?」
視線を向けた先に立っていたのは、紛れもなく一八だった。
ただし仕事を終えてではなく三日残した状態だということを、壁にかけられたデジタル時計は示していた。
それに気付き、入った覚えのないベッドに寝ていたことを合わせ、自分がまた何かしら一八に迷惑をかけたことを可那子は悟った。
「ごめんなさい、大切なお仕事の邪魔を…」
「気にするな」
一八は可那子の言葉を遮りベッドの脇に腰掛けた。
しかし伸ばされた一八の手を拒むように押し返し、可那子は言葉を続ける。
「でもまた…一八さんに迷惑をかけてしまいました」
「だから、」
「私がいつまでも弱いから…っ、」
「、少し黙れ!」
絞り出された言葉で全てを察した一八は有無を言わさない力で可那子を抱き寄せ、強く抱きしめた。
「落ち着け、自分を責めるなと言って…」
言い聞かせるように紡がれた言葉は、しかし最後までは続かない。
腕にかかる負荷。
可那子は気を失っていた。
一八はギリ、と歯噛みし可那子を片腕で抱いたまま携帯を取り出した。
「予定を一日ずらせ」
『二十時間、それが限界です…』
「分かった、それでいい」
申し訳なさそうに返された答えに了承の旨を告げ、電源を切る。
洋服の皺になど頓着するわけでもないだろうけれど、スーツを脱ぎ捨て可那子の服も脱がせた一八は、可那子を抱きしめたままベッドに体を横たえた。