⑥
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深夜。
「や…だ、いや…っ、――!!」
可那子は自分の声に驚いて飛び起きた。
涙が頬を伝う。
ひどくうなされる可那子に気付いた一八が、可那子を起こそうとしていたところだった。
「一八、さ…」
涙を拭う一八に、可那子は縋るように手を伸ばした。
「忘れろ」
一八は小さく震えるその体を強く抱きしめる。
「忘れさせて、ください…」
一八の服の背中を握りしめ、可那子が呟いた。
「体は…」
つらくないのか、と訊こうとするのを遮るように、一八の胸に顔を埋めたまま可那子は首を振る。
一八はもう一度腕に力を込めてから、それを緩めた。
あごを持ち上げ、唇を重ねる。
絡め合う舌は、いつもより熱を帯びているように感じられた。
「…っ、は…」
唇の端からこぼれる吐息も逃さないように口づける。
混ざり合う唾液がこぼれ落ちてもなお、二人はお互いの唇を貪りあった。
「…っ、」
ぞくりとした快感が可那子の背すじを走る。
それだけでイってしまいそうなほどのキスに、可那子は恥ずかしそうに俯いた。
しかし一八はすぐに顔を上げさせ、服をはだけさせながらその首すじに唇を寄せる。
「ん…っ」
小さな痛みを伴ってそこに咲く、紅い華。
普段はほとんどと言っていいほど残さないそれの数を、首すじから胸もとにかけて増やしていく。
仁が残した痕はほとんど分からなくなっていた。
しかし以前可那子がそうしたように、一八もまた自分の痕を残していく。
同時にはだけられたままだった服を脱がし、その体を押し倒した。
露わになった乳房を包み込み、先端をさけて円を描くように触れると、焦れたように可那子が身じろぎする。
「やぁ、ん…っ!」
それを待っていたかのように乳首を摘まれ、可那子はびくんと体を震わせた。
指先で捏ねられながらもう片方を舌で転がされる。
抱きしめた一八の頭に可那子は唇を寄せ、声を漏らした。
そして一八の手が可那子の太ももを滑る。
そのまま内側に回した手で脚を開かせると、
「あぁ…っ!」
愛液が溢れるほどのその場所にくちゅりと音を立てて呑み込まれた指で、可那子のいいところを執拗に攻めながらかき回した。
「あ、あぁ…、や、ん…っ!」
一八を抱きしめたまま可那子はイき、その腕が緩むのを待って、一八は僅かに体を起こした。
「俺を見ろ」
その声に目を開けた可那子の視線を、紅い光がからめ取る。
「…っ」
可那子の体がぞくりと震えた。
「…そうだ。俺だけを見てろ…、いいな」
「、はい…」
小さく答えた可那子は、もう一度一八を抱きしめた。
この時、一八は僅かに逡巡していた。
可那子が抱いてくれと言った時、普段ならやめてと言われてもやめない一八が可那子の体調を気遣うふりをしたのは、自信がなかったから。
これは嫉妬だと認めざるを得ないほどの、自分の内を激しく渦巻く感情をごまかせる自信、
激情のままに抱いて、可那子を壊してしまわない自信が。
しかし普段可那子によく言うように、余計なことを考えるのはやめることにする。
体をずらし、可那子の脚を割った。
服を脱ぎ捨て、既にはちきれそうに熱を持った自身をそこに宛てがう。
「っ、――――!」
一息に突き入れると可那子は背を弓なりに反らし、声にならない声を上げた。
自分の中を埋め尽くす一八を感じ、快感が全身を走り抜ける。
「あ、あぁ一八さん…、や、あ…一八、さん…っ!」
間髪いれず抽挿を始めた一八にしがみつき、可那子はその名を呼んだ。
「いや、あぁ…っ!」
一八の律動に体を揺さぶられながら、可那子はあっけなく達してしまう。
「っ、」
いつもよりきつい締めつけに、一八も昂められていく。
そこに懇願する可那子の声。
「一八、さん…、もっと、もっと深く…繋がり、たい…」
「…っ」
一八の体の奥がずくりと疼いた。
イったばかりの体に叩きつけるように動き、可那子の中を容赦なく抉る。
「あぁっ!あ、ぁ…一八さ、ん、ぁあ…っ!」
「…っ!」
可那子がもう一度イくのに合わせ、一八も可那子の中に精を吐き出した。
どくんと脈打つそれは、しかしまだ力を失わない。
「あ…っ」
一八は可那子を抱き起こした。
唇を重ね合うと、一八の胸に敏感になっている先端をこすられ、それだけでも可那子は熱い息をこぼす。
可那子をそこに残し、一八は仰向けに体を倒した。
腰を掴み下から突き上げると、先ほど吐き出した白濁と混じり合った可那子の愛液がこぼれ、一八のももを濡らした。
いやらしい水音と時折漏れる低い吐息が可那子の鼓膜を犯し、可那子の甘い嬌声が一八のそれを打つ。
「あ…、や一八さ、私、また…っ」
「遠慮するな。…何度でもイけ」
「や…っ、あ、あ…、ん、あぁ…っ!」
突き上げる一八の動きに合わせて勝手に腰が動いてしまうのを止められない。
そこへ更に強く突き上げられ、体を跳ねさせながら可那子はまた達した。
びくびくとけいれんする体を一八の胸に預ける。
荒く息をつく可那子を抱きしめながら、一八はなお動きを止めなかった。
体位を変え、そのたび可那子を昂め、そして自身も強く締めつける可那子に昂められながらその体を貪り続けた。
そう、それはまさに――本能のままに求め合う、獣のように。
そして二人は再び向かい合っていた。
唇を重ね、上気した肌に痕を残し、舌で乳首を転がしながら、腰を抱きかかえる。
「は…一八さ、私、もう…っ」
いつもより激しいセックス。
一八はもちろん可那子もそれを求めた結果だったが、どうにかなってしまいそうなほどイかされ、さすがに可那子は限界が近かった。
しかし一八は動きを緩めない。
「まだだ、まだ足りない…もっと、お前を寄越せ…!」
「や、一八さ…っ」
「求めたのはお前だ。…分かって、いるのか」
可那子の頬に手を当て、珍しく余裕のない表情で一八が言う。
「俺を狂わせるのは…お前だということを」
可那子の体がびくりと震えた。
その瞳からは涙が溢れ出す。
「あ…っ一八さ、一八さん…っや、ぁ…」
しかし止まらない一八の動きに翻弄され、声を上げ続ける可那子。
必死で手を伸ばし、一八を抱きしめた。
「愛してます…愛してます、一八、さん…っ」
「ああ…可那子、――――…」
それに応えた一八が耳もとで囁いた言葉と、さらに激しく突き入れられる熱量。
気が狂いそうなほどの快感と、溢れるほどの愛を感じながら、可那子は泣き、啼き続けた。
そして体の最奥に一八の熱を感じながら、ついにその意識を手放した…。
「――…」
一八はそのままの状態で、可那子の体を強く抱きしめた。
いつの間にか、どうしようもなく――自分でも戸惑うほどに――愛してしまっていた。
しかしその抗いようのない事実を、一八は素直に受け入れた。
狂おしげに一八は紡ぐ。
この先おそらく、誰も聞くことはかなわない言葉を。
「…お前だけだ」
一八の中のデビルですら成し得なかった、それを。
「俺から理性を奪い取るのは――…」