「俺、蔵本先輩が好きです」

「…ごめん、って何度も言ってるよね…。あたし、好きな人がいるの…」

「分かってます」

「だったら、どうして…」

「ただ、気持ちを伝えたいからです。俺の気持ちが先輩にとって迷惑でしかなくても」

「でも、あたし…」

「知ってますよ、告白されたんでしょう？なぜすぐにOKしなかったんですか？」

「……」

「蔵本先輩は優しいから、素直に喜べませんでしたか？それは少しでも、俺のこと考えたからですか？」

「…！」

「図星でしょう」

「どうして…っ」

「当然ですよ、それが俺の狙いなんですから。俺が何度もこうして気持ちを伝えることで、あなたは嫌でも俺のことを考えるようになる」

「ひどい…」

「ひどいのはどっちですか！」

「日吉…？」



「先輩、あなたはやっぱり優しくて…残酷な人、ですね…」










(12,3,20)