離れても迷わない
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卒業式の日。
あたしは跡部に、テニス部のレギュラー専用の部室に呼び出された。
本当は行きたくなかったけど、会うのはきっとこれで最後。
お別れくらいは言っておいてもいいのかな。
そう思ったらあまり抵抗なく足を運ぶことができた。
部室に入ったあたしを見た跡部が、静かに椅子から立ち上がった。
「話って何?」
跡部の持つ雰囲気がなんだかこわくて、あたしはドアノブに手をかけたまま聞いた。
そんなあたしを見ながら小さくため息をついた跡部は、その瞳を真っ直ぐにあたしに向けた。
「単刀直入に聞く。俺様の申し出にNOと言い続ける理由を言え」
予想通りの質問に、あたしも小さくため息をつき、答えた。
「理由なんて、ない」
言ってもどうにもならないから。
あたしは跡部に、そして自分自身の想いに対しても訣別の意味を込めて、きっぱりと言い切った。
そんな言い方をしたら、跡部のプライドを傷付けるってことくらい、分かってたはずなのに。
「跡部のことだけは…好きにならない」
瞬間、跡部はあたしに向かって足を踏み出し、あたしは慌ててノブを回した。
だけど僅かにドアを引いたあたりで目の前に伸ばされた強い力にそれを押し返され、振り返ったあたしの目の前には、跡部が立っていた。
冷たく光る瞳が、あたしを射竦める。
その瞳から目が離せなくなってしまったあたしの視界の隅で、跡部の腕が動いた気がした。
ぶたれる、と思ったあたしはぎゅっと目を瞑った。
だけどそんなあたしに与えられたのは、顎を掴まれる強い力と、唇に触れる熱さ。
突然のことに抵抗する間もなくあたしの唇は割られ、跡部の舌が入り込んでくる。
「んぅ…っ!ふ、やめ…、ん…」
跡部の胸を叩いて抵抗するけど、その唇から逃げることは叶わなくて。
あごを掴まれたままあたしは、口内を犯され続けた。
と、その唇がふと離れ、あたしは自分の唇を手の甲で拭い跡部を睨みつけようとした。
けどその瞬間目の前から跡部が消え、直後には体が浮き上がる。
あたしは跡部の肩に抱えあげられていた。
「ちょ…っ跡部!離してよっ」
じたばたと暴れるあたしをものともせず、跡部はドアに鍵をかけるとそのまま隣の部屋へ入って行く。
そこは、パソコンの完備されたレギュラー専用部室のひと部屋。
この部屋のドアにも鍵をかけ、そこに鎮座するソファにあたしは降ろされた。
「何するつもり、…っ!」
跡部を睨みつけ、抗議の声を上げようとした唇を、またふさがれる。
と同時にボタンを引きちぎるようにブラウスをはだけられ、ブラを押し上げた跡部の熱い手があたしの胸を掴んだ。
「いやあぁっ!!」
あたしは跡部の唇から逃げるように顔をそむけ、大声を上げた。
その手を引きはがそうとするあたしの手首を掴んだ跡部は、もう片方の手首とまとめて自分のネクタイで縛りあげた。
「やだ、跡部…!ほどいてっ!」
それを頭の上で固定しながら跡部は、無防備に晒されたあたしの胸に顔を寄せ…その先端を口に含んだ。
「ん…っ」
体がびくんと震え、無意識に声が出てしまう。
「や、め…っん、あ…っ」
乳首を舌で転がされ、時に甘噛みされる。
もう片方の胸は、跡部の手に揉みしだかれ形を変えていた。
こわかった。
あたしを犯そうとしてる跡部が。
だけどそれ以上に跡部に犯されそうな状況の中、少なからずの快感を覚え始めている自分が悔しかった。
あたしは跡部が好き。
だけどそれを悟られる前にあたしは跡部の前から消えたいの。
どうせ報われない想いなら。
こわくて悔しくて…あふれた涙で跡部の顔がかすむ。
すると、ここまで終始無言だった跡部があたしの涙を舐め取り、耳もとで囁いた。
「――もっとイイ声で啼かせてやるよ」
言うなりあたしのスカートの裾から入りこんだ跡部の手に、あたしが抵抗するより早くショーツを脱がされてしまう。
「や、だ…っ!」
跡部の体で脚を割られ、閉じることも出来ない。
そのまま膝を広げられ、露わにされたそこを跡部はじっと見つめた。
全身がかぁっと熱くなる。
「見ないで…っ」
あたしがネクタイでまとめられたままの両手を伸ばすのと同時に、金に近い茶色の髪が揺れた。
「や、あぁ…っ!」
跡部の舌があたしの中心を這い回り、自分の声とは思えない、明らかに今までと質の違う声が出る。
「んぅ…ふ、く…っん…っ」
舌をねじ込まれてかき回され…あたしは抑えのきかない自分の声を聞きたくなくて、下唇を噛みしめた。
だけどその舌が敏感な粒を押しつぶし、転がし、吸い上げた時
「んんっ!!ふ、ぅ…、んっ!」
きつく噛みしめたあたしの唇には血がにじむ。
その痛みでわずかでも気を逸らせるかとも思ったけど、あたしの声のトーンがわずかに変わったのに気付いた跡部が動きを止め顔を上げた。
「噛むな、バカ。…ったく、血が出てるじゃねぇか」
呆れたように言う跡部の親指があたしの唇を這い、そのまま口の中へ押し込まれる。
「…っふ…」
その指は、わずかに血の味がした。
「…そそるな、その顔…」
跡部はそんなあたしを見ながら妖艶に笑い…
「力、抜けよ」
いつの間にか緩めた制服から取り出した自身を、そこに宛がった。
「や、やだ跡部、――…っ!」
あたしの僅かな抵抗もむなしく、跡部のそれはあたしの中に容赦なく侵入してきた。
ものすごい圧迫感と痛みとで、苦しくて声も出せない。
浅く速く呼吸を繰り返すあたしに
「もう全部入ったから大丈夫だ…俺様が天国に連れて行ってやる」
あたしの手首のネクタイをほどきながら殊の外優しい口調で言った跡部は、だけど間髪入れず抽挿を始めた。
「や…っあ!ん…、っく…」
あたしはソファにかけられたカバーを握りしめ跡部から逃げようともがいてみるけど、跡部の手に腰をがっちりと掴まれそれも叶わない。
跡部は胸を合わせるようにあたしを抱きしめながら、あたしの手を自分の首に回させた。
「爪たてるなら…俺の体に立てろ」
耳もとで囁き、更に奥まで突き込んでくる。
「あぁ…っ!」
体がびくんと跳ねた。
あたしの最奥で、コツンと音がしたみたいだった。
「ん、やぁ…っふ、っく…」
声が抑えられない。
痛みを押しのけるように体の奥から湧きあがってくる快感に、支配されてしまう。
それでも、跡部にしがみつきその肩に顔を埋めながら奥歯を噛みしめた。
すると、それに気付いた跡部が動きを止め体を起こした。
「声、我慢すんじゃねぇ。めいっぱい締めつけやがって…気持ちいいんだろ?」
あたしを見下ろし、不敵に笑う。
「も…やだよ、跡部ぇ…」
跡部が好きで、でもだからこそつらくて、あたしは懇願した。
だけど跡部は
「その顔…誘ってるようにしか見えねぇよ」
言うなり律動を再開する。
「あ…っん、や…跡、部…っ」
腰を掴まれて奥まで突かれ、手の甲で口を押さえようとすればその手首を絡めとられる。
荒い息遣いといやらしい水音だけが響く部屋の中、あたしはただ跡部に翻弄されるままに声を上げ続けた。
「俺様の名前を呼べ、可那子」
跡部が言う。
あたしは首を横に振る。
「もうイきそうだろう?俺様の名前を呼んで…イけよ、可那子…」
跡部の律動に合わせてあたしの中に快感の波が押し寄せていた。
あたしは、跡部の名前を呼べない。
呼びたくない。
呼んだらきっと…イってしまうから。
だけど跡部は容赦なくあたしの奥を突いてくる。
「やだ、や…あぁっ!も、やぁ…ん、あぁ…っけい、ごぉ…っ!」
あたしは、跡部の名前を呼び…達してしまった。
「呼べるじゃねぇか…っ、俺も、そろそろイくぜ…」
満足そうに笑んだ跡部は更に動きを速め…あたしの中で果てた。
跡部の激しさと注ぎ込まれた熱さに、あたしはしばらくの間体を動かすことができなかった。