そんな君が好き
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その日は夜になって雨が降り出した。
玄関のチャイムが鳴る。
ドアを開けるとそこには、ずぶ濡れの赤也が立っていた。
仕事で応援に行けなかった私の携帯に“負けた”とひと言だけ連絡が来たのが夕方で、その後はずっと電源が切れたままだった。
「お疲れさま」
とにかく無事な赤也の姿が見れて安堵した私は、棚からタオルを取り出し、俯いたまま動かない赤也に歩み寄った。
「このままじゃ風邪ひいちゃう。お風呂沸いてるから…」
腕をひきバッグを降ろさせて、浴室まで連れて行く。
「着換え出しとくから、ちゃんとあったまってね」
私の言葉に赤也が小さく頷くのを見届けて、ドアを閉めた。
ソファに座って赤也を想う。
常勝が掟の立海大附属で2年生ながらレギュラーの座を勝ち取った赤也。
その赤也が…立海大が負けた…。
私には、ましてや今日は応援にも行けてない私にはかけてあげられる言葉が見つからない。
「赤也…」
そっとその名を呼んでみたら、いつの間にかお風呂から上がっていた赤也に後ろから抱きしめられていた。
「赤也…?」
微かに震える腕に手を添えると、小さく呻くような声が耳に届いた。
「悔しいよ…」
「負けて泣いた分、次はもっと強くなれるよ」
赤也には届かないかもしれない、届いても気休めにもならないかもしれないけど…。
私は立ち上がって、代わりに赤也をソファに座らせた。
キッチンに用意しておいたマグカップに暖めたミルクを注ぐと、温かい湯気と紅茶のいい香りがたつ。
それを持ってリビングに戻ったら、赤也はソファで小さく寝息をたてていた。
テーブルにカップを置き、丸くなって眠る赤也の前髪に指先を絡める。
本人は気にしてるみたいだけど、私はこのふわふわのくせっ毛が好き。
「ふふ、猫みたい」
そう呟いた私の腕を、眠ってると思ってた赤也の手が掴んだ。
「あ、ごめん…起こしちゃ…っきゃあ!」
そのまま赤也がのしかかってきたから、私は必然的に床に組み敷かれた格好になる。
「赤也…?」
見上げた赤也の表情はとても苦しげで。
それを認識できた直後、唇をふさがれた。
普段のキスとは違う、一方的に口内を犯してくるような強引なキス。
だけど私もそれを諌める気にはなれなくて、ただ赤也のキスを受け入れ、それに応えた。
部屋の中に響くのは、唇の端から漏れる吐息と唾液の混ざる音。
雨の音にかき消されて、きっとお互いの耳にしか届かない。
その時、ふと唇が解放される。
「可那子さん…抱いていい?」
真っ直ぐ見下ろしてくる、熱を帯びた赤也の瞳。
「…いいよ」
赤也は、貪るように私を抱いた。
Tシャツとブラを引き剥がし、胸もとに顔を埋める。
そして先端を弄ばれ声を上げる私の短パンとショーツも剥ぎ取ると、
「ごめんね――…」
言いながら赤也は自身を一気に埋め込んできた。
「――っ!や、あぁ…っ、あ、は…っ!」
謝る必要なんてかけらもないほどに、私はすんなりと赤也を受け入れた。
その直後、
「二度と…負けないから――…」
赤也の声と共にぱたぱたと降る涙。
赤也の『ごめんね』は愛撫もなく挿入したことに対してだけじゃないことを知り、私は赤也に手を伸ばした。
…その時だった。
手を伸ばしその頬に触れた瞬間、
「あ…っ!や、ああぁっ!!」
背すじをぞくぞくとした快感が走り抜け、私はイってしまった。
「はぁ…っ、ごめん、ね…赤、也…っ」
自分の意思とは関係なく跳ねる私の体を抱きしめてくれた赤也が、耳もとでふるふると首を振るのが分かった。
そして、
「俺、も…ね、可那子さん…っ、ナカ、平気…?」
律動を繰り返していた赤也にも、限界が近付いたみたいだった。
「平気…、イって、赤也…、っ!や…あっ…、あぁっ…」
答えた直後激しく突かれ、私もまた昂められていく。
「あ、やぁ…っね…赤、也…っ一緒に、イこ…?」
「っ!可那子、さん…っ!」
赤也の背に腕を回すと、赤也の腕も私の背に回され…きつく、抱きしめられる。
自分の中に注ぎ込まれた赤也の熱を、私は気の遠くなりそうな絶頂感の中で感じていた――。
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