ペテン師の素顔
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「ね、仁王…部活、行かなくていいの?」
抱き合ったままどのくらいそうしていたんだろう。
あたしはふと疑問を口にした。
「…やっと手に入れたんじゃ。離したく、なか」
仁王の答えに、胸の奥がきゅんとする。
あたしもずっと抱きしめていたい、けど…
「サボりは真田の鉄拳制裁…」
そう呟くと、仁王の体がびくっと震えた。
あたしはくすっと笑うと、もう一度その銀の髪をなでながら言う。
「どこにも行かないよ。離れたくないのはあたしも同じ。待ってるから、一緒に帰ろ?」
仁王はしぶしぶといった感じで、あたしの体を自分から引き離す。
「頑張ってね、仁王…」
小さくため息をついた仁王に声をかけた直後、その綺麗な顔が目の前に迫っていた。
「――…約束じゃ」
そう言い残して、仁王は駆け出した。
自分の唇を指先でなぞりながら呆然とするあたしの顔は、きっと真っ赤だったと思う。
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