今はただ君のそばに
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「やっぱ男子って、みんな女らしい子が好きなのかなぁ」
並んで帰る途中、可那子がため息混じりに言った。
「っていっても、それを強要されてもあたしは困るんだけどさ」
俺は足を止めた。
「お前は、変わらなくていいから」
「ジャッカル?」
可那子が振り返る。
「お前の傷が癒えて、次の恋をしてもいいかなって思ったら…」
今、無性に伝えたくなった。
「そん時は、俺も候補に入れてくれないか」
…止められそうになかった。
「俺は、今のままのお前が――…好きだ」
俺の突然の告白に可那子は少し驚いた表情を見せた後、ありがとう、と笑い、
「あたしもジャッカルが好きだよ」
と付け加えた。
しかしすぐに、その顔を少し曇らせる。
「でもごめんね、今はまだ友達」
ずっと友達やってきたんだから、当たり前の返事だ。
「ああ、分かってる」
俺はあきらめ半分、強がり半分でそう答えた。
しかし可那子の言葉はまだ終わってなかった。
「でもちゃんと考えるから。ちゃんと向き合うから。返事はもう少し待ってくれる?」
「…ありがとう」
今度は俺が礼を言う番だった。
俺のことを考えてくれてる、真剣な瞳が嬉しかった。
俺の言葉に可那子が安心したように笑う。
「まぁ俺としては友達より下になんなきゃとりあえずいいわ」
くしゃっと可那子の頭を撫で俺が今の望みを口にすると、
「大丈夫。それはないよ」
可那子は更ににこりと笑って即答してくれた。
俺の好きな可那子の笑顔。
もう二度とこの笑顔を曇らせたくない。
これからどうなるかなんて分からないけど、今はただ可那子のそばにいたいと思った。
俺は可那子が好きだ。
「また明日!」
そう言って帰って行く可那子を見送りながら――今はただ、それでいいと思ったんだ。
(12,11,3)
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