時にはわがままを
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その間、数分か数十分か。
「ん…」
小さく声を漏らし、弦一郎の腕の中で可那子が目を覚ます。
荒かった息もすっかり整っていた。
「よく眠っていたな」
弦一郎は小さく笑むと、可那子の頭の下にあった腕で支えながらわずかに体を起こし、もう片方の手で可那子の頬をなでる。
「ごめん…あたし、また…」
そんな弦一郎を見て可那子が申し訳なさそうに言うが、
「いや、謝るのはこっちだ。すまん、また無理をさせた」
弦一郎は首を横に振り自嘲気味に笑う。
しかしそれに対し可那子もまた小さく首を振ると
「でも弦一郎…また、イけてない…でしょ?」
少し言いづらそうに訊ね、
「そんなことは気にするな」
「でも…っ」
弦一郎の言葉にも食い下がる。
激しく抱いて可那子が気を失ってしまうと、弦一郎は自分がイけてなくてもその後続きをしようとはしなかった。
「お前が満足したならそれでいいんだ」
そのたびそう言われて抱きしめられそれ以上何も言えなくなっていた可那子だったが、今日は弦一郎の誕生日、大好きな彼を満足させてあげたいという想いからいつもより少し強く食い下がったのだった。
「では、可那子が…してくれるか?」
すると、弦一郎の口から小さく言葉が漏れる。
「え?」
「…冗談だ。本気にするな」
しかしその直後、顔を上げた可那子を弦一郎はそう言って自分の胸に抱き寄せる。
しかし可那子は理解していた。
弦一郎が何を望んだかを。
そして同時に嬉しさも感じていた。
いつも可那子が優先の弦一郎が、自分の望みを口にしてくれたことに。
「…する。したい。…あたしも、弦一郎を気持ちよくしてあげたい…」
そう言って体を起こした可那子は弦一郎の体を仰向けにし、その脇に手をついて弦一郎を見下ろす。
「可那子、」
何かを言いかけた唇を自分のそれでふさぎ、すぐに離れた可那子は
「初めてだから…痛かったりしたら、ごめんね」
恥ずかしさを隠すようにいたずらっぽく笑ってそう言うと、体をずらし布団にもぐり込んだ。
初めて触れた弦一郎のペニスは、既に硬くなり始めていた。
軽く握って上下に扱くと、それは更に硬く、大きくなっていく。
その太さに戸惑いながらも可那子が意を決してその先端を口に含むと、弦一郎の体がぴくんと震えた。
そのまま精一杯奥まで呑み込み、舌を這わせ、絡める。
足りないところを補うように、握った手はゆっくりと上下させた。
そして、
「…っ、は…」
弦一郎のこぼす吐息を感じながら、自分の体も熱くなっていくのを可那子は感じていた。
「ん…っ、ふ、は…っ」
ぴちゃ、くちゅと音を立て、可那子は必死でそれを頬張る。
「…っく、駄目だ、可那子…!」
その時、布団を跳ねのけ体を起こした弦一郎は、可那子の頬に手を添えて動きを止めさせた。
顔を上げた可那子の目に映ったのは、熱を帯びた弦一郎の瞳。
「やはり、お前の中で…」
その切なげな表情に、可那子の背中にぞくりとした快感が走る。
「うん…」
可那子は吸い寄せられるように体を起こし、そのまま弦一郎に跨った。
「可那子、そのままでは…」
「平、気…」
自分に奉仕してくれていただけなのだから、まだ充分に濡れていないだろうと心配した弦一郎の制止もよそに、可那子はその先端を自分の中心に宛がう。
「…っ」
くちゅりと音を立てたそこにゆっくりと腰を落とすと、弦一郎のペニスは熱くとろける可那子の中に呑み込まれていく。
「う…ふぅ…」
根もとまでひとつになり、可那子は弦一郎の首に抱きついて息をつく。
「可那子…」
その体にそっと腕を巻きつけ、それでもまだ可那子の体を気遣う弦一郎だったが、
「ほんとに平気…だってあたしも、欲しかったの…だから、ね…?」
そう言った可那子が弦一郎の耳を噛むと、
「可那子…っ!」
弦一郎は腕に力を込め、同時にぐっと質量を増したそれで下から突き上げた。
「ああ…っ!や、弦いちろ…っ」
最奥を強く突かれ、可那子は弦一郎の腕の中で身じろぐ。
繰り返される律動。
肌のぶつかる音と厭らしい水音、そして可那子の啼き声に混じって弦一郎の吐息が低く響く。
「あ…っ」
弦一郎は、つながったまま可那子の体をそっと押し倒し、上から覆いかぶさった。
さらりとした黒髪が、可那子の頬をくすぐる。
「や、ああ…っ!は、あ…っ」
しかしその心地よさを感じることができたのも一瞬で、強い力で体を固定されたまま更に奥を突かれた可那子は、ぽろぽろと涙をこぼし弦一郎にしがみついた。
そう、それは可那子の限界が近い証拠だった。
もう、イっちゃう…!
でもそれじゃまた弦一郎が…
頭の、どこか遠い場所で思う。
しかし押し寄せる快感の波は、可那子を包み込み高みへと連れていこうとする。
「弦一郎…弦、いちろ…っ」
可那子は切なげに、繰り返しその名を呼んだ。
「…っ!俺も、もう…っ可那子、一緒に…!」
そしてその時、苦しげにそう言った弦一郎の動きが速くなる。
「あ、ああっ、や…ああぁ…っ!」
「く…っ、可那子…っ!」
直後、可那子は弦一郎をきつく締めつけながら達し、そして弦一郎はそのきつさの中に熱い白濁を吐き出したのだった。