④
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その後数日の間、朝も昼も夜も関係なくグリムジョーは幾度も可那子を抱いた。
そして可那子は貫かれるたび、グリムジョーの腕の中で甘く啼いた。
「あ…っや、グリムジョー、あたし…っ」
「何も考えんな…イけよ、可那子…」
三度目か四度目かの時に絶頂を覚えた可那子の体は、グリムジョーが可那子を求めるのと同じようにグリムジョーを求めた。
しかし当然のことながら、先に息切れしたのは可那子の方で――。
「あ、待って、グリムジョー…」
荒く息をしながらうつ伏せになった可那子は、その体を抱き寄せようとするグリムジョーから逃げるようにベッドの上で力なく身じろぎした。
「待たねえ」
しかしグリムジョーはそれを許さない。
「も、チカラ入んないよ…」
「いいぜ、そのままで」
可那子の訴えなど聞く耳持たず、後ろから覆い被さって可那子の腰を抱えると、自身をねじ込む。
「や、ん…、あぁ…っ!」
「なんだ、ちゃんと反応してんじゃねえか」
可那子は難なくグリムジョーを受け入れた。
乾く間など与えずグリムジョーが抱き続けてきたからだった。
「やだ、そんな…っ、あんっ!」
「…いい声出すじゃねえか…もっと啼けよ、可那子…」
体位を変え向き合うと可那子の両脚を抱え、グリムジョーは尚も可那子を攻め立てる。
「やぁ…ん、あ!あぁ…っ」
「…そうだ、もっとだ」
奥へ、更に奥へとグリムジョーは突き入れる。
やがて…
「あぁ、や…グリムジョー、ん…っあ!あぁっ――…」
どこかへ行ってしまいそうになるたびに快感によって強制的に呼び戻されていた意識を、可那子は今度こそ手放した。
グリムジョーは小さく寝息を立てる可那子を腕に抱いたまま、自分の中にとめどなくあふれ出してくる想いを感じていた。
愛しい――…と。
それは理由もなくただ破壊するためだけに産み出されたグリムジョーの中に芽生えた、初めての感情だった。
初めはその正体に気付けず、戸惑い、苛立った。
可那子を無理やり抱いて、自分のものにもしてしまえなかった。
可那子にどう接してよいか分からず、ただ自分を見て怯える可那子にまた苛立った。
それでも尚可那子を手放してしまえなかったのは、グリムジョーの中におそらく可那子と出逢った時から芽生えていたその感情のせいだったのだろうと今なら分かる。
グリムジョーは可那子を抱きしめる腕に少し力を込め、その髪にそっと口づけた。
「ん…グリムジョー…?」
とその時、それに気付いてかどうか可那子が目を覚ました。
「ごめん…あたし、いつの間にか眠っちゃったん…」
「いいから寝てろ」
顔を上げようとする可那子の頭を抱えるように自分の胸に抱き寄せ、グリムジョーは言った。
まだ足りなかった。
もっと可那子が欲しかった。
この腕の中のぬくもりを、もう手放せないと思った。
そして強く抱きしめた可那子の髪にもう一度口づけ…独りよがりな欲望を抑えるように瞳を閉じた時だった。
「ん…グリム、ジョー…」
グリムジョーの腕の中で、可那子が苦しそうに呻いた。
グリムジョーが少しだけ腕の力を緩めると、ぷは、と息を吐きながら可那子が顔を上げ、
「苦しくて寝れないよ」
拗ねたような表情で抗議する。
可那子はそのままグリムジョーの腕に頭を乗せ、額をこつんとその広い胸にぶつけた。
「…無理させて悪かった」
グリムジョーの口からこぼれた意外な言葉に、
「ちょっと体痛いけど、平気」
可那子は優しく笑って答え、その体を起こした。
枕元にある水差しの水を飲む。
と、突然腕を引かれ、がしゃん!と水差しが割れる音が響く中…可那子はグリムジョーに唇をふさがれていた。
可那子の口の中に残っていた僅かな水を奪い取り、
「水差し、割れちゃったよ」
「ほっとけ」
「…でも、少し休ませてね?」
「…ああ」
そんな会話を交わしながらグリムジョーは、体を起こし枕もとに寄りかかる。
「…何で俺の帰刃なんか見たがったんだ」
シーツを体に巻いた可那子を抱き寄せながら、グリムジョーは訊いた。
可那子は少しだけ考える素振りを見せた後
「…始まりの場所、だったから」
グリムジョーに背中を預け、ゆっくりとした口調で話し出した。
「あの時グリムジョーに逢わなかったら、あたしは今きっと…生きてない」
「俺は、殺すつもりであの場所に行ったんだぜ?」
「だけど、殺さなかった。すごく…すごく分かりにくくて時間かかっちゃったけど…ちゃんと、気付けたよね…」
可那子はグリムジョーに預けた体を起こして振り返り、切なげな笑みを浮かべながら腕を伸ばした。
出逢いは偶然、しかし愛し合うことは必然だったのだと、ふたりはこの時はっきりと理解した。
濃茶色の瞳と花浅葱色の瞳の視線が絡み合う。
「…ああ」
グリムジョーは短く返事をし、可那子が自分の体を抱きしめられるように、そっと胸に抱き寄せた。
やがて二つの鼓動は一つになり…安心しきった可那子は小さく寝息を立て始める。
そしてグリムジョーもまた、穏やかな眠りへと