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夢小説設定
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右頬の割れた仮面、擦り切れた死覇装の裾からのぞく腹部の孔。
以前に比べそれらの違いはあれど、間違いなくそれは可那子だった。
「…可那子…」
グリムジョーは小さく呟き、可那子の目の前、その白い砂の上に降り立った。
「…っ!」
グリムジョーと対峙した可那子の表情は、明らかに警戒の色を深めていた。
そしてその可那子の手が前に伸ばされ、手の平に霊圧が集中する。
「――
グリムジョーの声と同時に、それは力の塊となり放たれた。
グリムジョーもとっさに手を伸ばすと、同じ大きさの虚閃を放ちそれを相殺する。
凄まじい力がぶつかり、弾けた。
目も眩むようなオレンジ色の閃光がひらめく中、グリムジョーの両手は可那子の両腕を掴み…それに抗う可那子の足がグリムジョーを蹴り飛ばした。
「マジで…覚えてねえのか」
吹き飛ばされたグリムジョーは口の中の砂を吐き出すと、僅かに眉根を寄せ、呟く。
可那子はグリムジョーを排除の対象と決めたようで、響転で一気にグリムジョーとの間合いを詰めて来た。
逆にグリムジョーは可那子から間合いを取り――
「軋れ…『豹王』!!」
斬魄刀をひっかくと同時に空を蹴り可那子へと向かう。
巻き起こる砂煙の中、再びオレンジ色の光が瞬く。
――…虚閃!
帰刃し更にスピードの上がったグリムジョーは突き出された可那子の腕を避け…力づくでその体を抱きしめた。
勢いのままにふたりは砂の上を転がって行く。
グリムジョーという目標に当たらなかった虚閃が、背後で爆音を立てた――。