⑦
夢小説設定
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やがて落ち着きを取り戻したリリネットは、すこし照れくさそうに笑い、帰って行った。
「全く…甘え女だ」
リリネットを見送り振り返ると、呆れ顔のグリムジョーが立っていた。
可那子は少しだけ困ったように、しかし優しい笑みを浮かべた。
「…まあいい、さっさと寝かしつけて来い」
グリムジョーに言われるまま、可那子は遊び疲れて大あくびをしているふたりを部屋へ連れて行く。
「ほったらかしにしちゃって…ほんとごめんね」
ベッドの中のふたりの頭をなでながら、可那子は謝った。
しかしふたりは、
「可那子は?もう大丈夫?」
と、声を揃えて聞いてくる。
「あたしは、もう大丈夫。明日からまた一緒に遊べるよ」
可那子が笑ってみせると、
「そうだね、もう大丈夫だね」
可那子の手を握った桜介が安心したように言い、
「そうだね、もう悲しくないね」
蘭丸が可那子の頬にその小さな手で触れながら、やはり安心したように言った。
ふたりは、何も知らないから――
そう言ったリリネットの言葉を思い出しふたりの言葉を少し不思議に思いながらも、
「うん、大丈夫。さ、もうおやすみ」
可那子は布団をかけ直してやり、いつものようにふたりの額にキスを落とした。
とても穏やかな気持ちだった。
それはきっとグリムジョーのおかげであり、ふたりと…リリネットのおかげでもあると可那子は感じていた。
「もう大丈夫なのか」
部屋に戻り、ソファに座るグリムジョーの横に腰掛けた可那子に、グリムジョーが問いかけてくる。
「うん、寝たよ…って、グリムジョー?」
「…あいつらじゃねえよ」
可那子の答えにグリムジョーはため息をつき、可那子の肩に手をまわし頭を抱き寄せた。
「…うん、ありがと、グリムジョー…」
グリムジョーの肩にもたれ、可那子は瞳を閉じる。
グリムジョーの温もりを感じ安心しきった可那子は、そのまま小さく寝息を立て始めた。
「…マジで分かってんのか?こいつ…」
それに気付いたグリムジョーはため息をつき、独り言ちる。
「…ったく、俺の前限定だぞ…」
頭を抱いていた手をあごに添えて少し上向かせ、グリムジョーはその唇に、優しいキスをした――…。
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