⑦
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その日も可那子は、いつものように三人の遊ぶ姿を眺めていた。
しかしいつもと違ったのは、ここ数日の"寝不足"。
柔らかいクッションにもたれ、可那子はうたた寝をしてしまっていた。
「リリネット」
それに気付いたスタークがリリネットを呼ぶ。
「なに?」
ふたりを待たせ動きを緩めたリリネットが向き直ると、スタークはふたりを連れてこの場から少し外すように手振りで示した。
可那子が眠っていることにリリネットも気付き、ふたりに小声で耳打ちして部屋を出て行く。
部屋に残ったスタークは可那子の寝顔を見つめた。
リリネットたちを部屋から出させたのは、帰るまでにはまだ時間があったし、眠っているのを起こさないようにというスタークの優しさからのはずだった。
「ん…」
そして、小さく声を漏らした可那子が寝返りを打つその時までは、可那子を残し自分もその場を外すつもりだった。
スタークは、規則正しく寝息をたてる可那子から目が離せなくなっていた。
「…たく、何なんだよ、あんたは…」
辺りを包んだ静寂を破り呟いたスタークは、身を屈め…可那子の唇にキスをした。
「ぅ…ん…」
くすぐったそうに可那子が顔を背けると、さらりと髪が流れ白いうなじが露わになる。
「…っ」
スタークは軽いめまいに襲われ、熱に浮かされたように可那子の腰に腕を回して抱きしめると、ハイネックの襟もとをはだけさせながらその首すじに唇を寄せた。
――可那子は夢を見ていた。
いつものように、グリムジョーに抱かれる夢。
しかし今日は、何かが違った。
キス、温度、触れ方…
いつも感じているグリムジョーの熱さ…
どうしても違和感が拭えない。
違和感…?
ううん…グリムジョーじゃ…
――ない!
可那子ははっと目覚めた。
感じたのは、自分を拘束する強い力。
「や…っ」
身じろぎし逃げようとした瞬間に、その手を拘束され床に貼り付けられてしまう。
「スタークさん…っ!?」
自分の腕を掴み、どこか苦しげな表情で可那子を見下ろしているのは、紛れもなくスタークだった。
「どうして…」
今にも泣き出しそうな表情で可那子が問うと、
「…あんたは、無防備すぎなんだよ」
スタークは僅かに怒りを含んだ声で呟く。
その行為と言葉でスタークの気持ちに気付いてしまった可那子は愕然とした。
「そんな簡単にスキ見せんじゃねえよ…」
「やだ…っ」
言いながら顔を近付けてくるスタークから、しかし可那子は顔を背けて逃れる。
するとスタークは、先ほどはだけさせた首もとに唇を寄せた。
「いや…っ!」
グリムジョーの残した痕の上に、紅い痕を残していく。
体をばたつかせ、全身で抵抗する可那子の手首をひと纏めにすると、空いた手で可那子の死覇装を胸もとまで無理やりはだけさせた。
「や…あっ、んぅ…!」
叫び声を上げようとする唇をふさぎ、舌を差し込む。
死覇装を引き裂いたその手は胸を揉みしだき、指先はその先端を摘む。
「…っ!!」
その時、驚いて唇を離したのはスタークだった。
口の中に広がる血の味。
スタークは指で自分の唇を拭い、次いで可那子の唇に指を這わせる。
「…やるね」
「お願い…もう、やめて…」
にやりと笑うスタークに、可那子は涙をぽろぽろと流しながら懇願する。
しかしスタークは
「…悪いね」
どこか苦しげに笑むと、その手を可那子の死覇装のスカートの裾から中に差し込んだ。
膝から太もも、ももの内側へと手を滑らせ脚を開かせる。
「いやあぁっ!」
スタークの本気を感じ、その恐怖から可那子が声を上げた、その時だった。
「スタークっ!!」
声が響く。
スタークがなかなか部屋から出て来ないのを訝しんで様子を見に来た、リリネットの声だった。
その瞬間、可那子を拘束するスタークの手の力が僅かに緩んだ。
「…っ!」
可那子は力いっぱいスタークを跳ねのけて体を起こし、震える足で走り出した。
「待って、可那子っ!」
リリネットが可那子を呼ぶが、可那子は振り返らない。
本気の十刃からは逃げ切れるはずもないが、リリネットは追いかけては来なかった。