いつもと違うふたりで
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シュンシュンとお湯の沸く音が雨乾堂の室内に響く。
護廷十三隊十三番隊隊長・浮竹十四郎は、目の前で手際よくお茶を点てる恋人の横顔を見つめていた。
白い肌と、美しい容姿。
上布の着物を着こなし、長く伸ばした艶やかな黒髪はきちんと纏め上げられている。
浮竹の恋人は、名を可那子と言った。
上級貴族の娘で、浮竹とは将来を誓い合った仲でもある。
「そんなに見つめられては、緊張してしまいます」
見つめ続けられることにどうにも耐えきれなくなったのか、可那子は困ったように言いながら浮竹に向けてお茶を差し出した。
ありがとう、とそれを手に取った浮竹は
「いや、相変わらず君は美しいなと思ってね」
お茶を一口呑んだ後穏やかにそう言った。
「またそのようなことを…」
恥ずかしそうに顔をそむける可那子。
「仕方ないな、本当のことなんだから。それに、そんな君と一緒にいるといい緊張感があるよ。いつでも君にふさわしい男でありたいと思わせてくれるんだ」
浮竹は相変わらず穏やかに続け、またお茶を一口呑む。
その言葉を聞いた可那子は少し困ったように笑み、そして遠慮がちに言った。
「ありがたいお言葉なのかもしれないですけど…それでは疲れてしまいます」
すると、浮竹はその言葉を待っていたかのようにぱっと表情を緩め
「じゃあ君も肩の力を抜こう」
と、にこりと笑う。
「君は美しくて利発で俺にはもったいないくらいだけど…いつでもそんなに気を張っていては君も疲れてしまうからね」
浮竹は、上級貴族の娘であるが故にその家名を汚さぬよう、常に自分に厳しくあらねばならないと気を張り続ける可那子の性格を見抜いていたのだった。
「そんな、私は…」
「ここへおいで、可那子」
浮竹は、有無を言わせぬ笑みを浮かべて手を伸ばした。
可那子の座っている場所は、浮竹の伸ばした手からほんのわずかの位置。
可那子は恥ずかしそうに目を伏せ、浮竹の腕の中へと膝を滑らせた。
浮竹はその体をそっと抱き寄せる。
そして空いた方の手で可那子の顎を持ち上げ、微かに震える唇に自分のそれを重ねた。
「…っ」
そのまま間髪入れずに舌を差し込むと、可那子の体が小さく震えた。
その反応を楽しむかのように浮竹は舌を絡め、歯の裏をなぞり、更に奥まで可那子の口内を犯す。
「ん…く、ふ…っ」
可那子は小さく息を漏らし、遠慮がちに浮竹の背に回されていた手は羽織をきゅっと握りしめる。
唇を離しては、角度を変えてまた重ねる。
それを幾度となく繰り返し、ようやく息をついた可那子は
「…いつもの十四郎様じゃないみたいです…」
うつむき、恥ずかしそうに呟いた。
「そうかい?じゃあ可那子、君もいつもと違う顔を見せてくれなくてはね」
どこか嬉しそうに浮竹は言い、可那子の着物の帯をしゅるりと解く。
「十四郎様…っ」
きちんと着付けられていた着物が崩れ、可那子は戸惑って声を上げた。
普段可那子が浮竹に抱かれるのは、夜、行灯の薄明かりの中でだけ。
その時身に付けているのは大抵夜着なので、このように明るい場所で着物を脱がされるのは初めてのことだったからだ。
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