優しい誕生日
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今日は護廷十三隊十三番隊隊長・浮竹十四郎の誕生日。
十三番隊隊舎の広間では呑み会が催され、隊員及び来客を含め大勢の死神たちが浮竹の誕生日を祝い盛り上がっていた。
その中から一人、可那子は抜け出す。
「十四郎様…」
庭に出てぼんやりと月を見上げ、愛しい人の名をつぶやく。
その声は白い息と共に夜の闇に消えて行った。
ふたりきりで過ごせると思っていたのに、気付いたら呑み会が計画されていた。
誰からも慕われる浮竹のこと、それも仕方ないのだろうが…それでもやりきれない部分はどうしてもある。
なぜなら、可那子は浮竹の恋人なのだから。
「十四郎様は、本当はあたしのことどう思ってるんだろ…」
なんだか寂しくて、そんなことをぽつりとつぶやく。
可那子はまだ年若い。
浮竹と並ぶと恋人というよりは親子のように見えなくもないし、実際そう間違われることもあった。
そんなことが相俟ってか、自分の言葉に最悪の答えを勝手に想像し、泣きそうになる。
「こんな所にいたのか」
その時、声と共に肩にふわりと羽織りがかけられた。
ぼんやりしていたから霊圧にも気付かなかったが、今はそれも必要ない。
その声はまさしく恋人である浮竹のものだったから。
「十四郎様…いいんですか?主役が抜けたりして…」
嬉しいくせに素直になれない可那子の言葉に浮竹は、
「いいんだよ、みんな呑んで騒ぎたいだけなんだから」
と笑って見せた。
そして、
「さ、風邪をひいてしまう。おいで」
と可那子の手を引くが、
「いや…」
俯いた可那子はそこから動こうとしない。
浮竹はそんな可那子を一瞬驚いたように見つめた後、ふわりと優しく笑った。
「大丈夫、広間じゃない。こっちだ」
「十四郎様…?」
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