不意打ちバースデー
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「可那子…マジで明日、やんのか?」
阿近さんがかなり心配そうに聞いてくる。
「もちろんですよ!想い続けて数十年!やっとここまでこれたんですからっ!!」
今まで何度となく繰り返されたその質問に、あたしも当然のように同じ答えを繰り返す。
今日は3月29日。
ここは技術開発局の研究室。
あたしは蔵本可那子。
先日、技術開発局・局長補佐に任命されたばかり。
ここまでくるってことは、もちろん容易じゃなかった。
ここ技術開発局には優秀な方がたくさんいるもの。
でもあたしはどうしても上へ行きたくて、大好きなあの方に一歩でも近付きたくて…。
十二番隊副隊長のネムちゃんや阿近さんを巻き込んで、死にもの狂いで頑張ったんだ。
あの方って誰のことかって?
それはもちろん、我らが十二番隊の隊長にして技術開発局局長、マッドなサイエンティスト、涅マユリ様のこと。
そう、あたしはマユリ様に恋してる。
物好きなヤツって笑ってもいいよ。
阿近さんやリンに散々言われ続けてきたから、もう慣れっこになっちゃったからね。
でも、そんな阿近さん曰く
「局長補佐なんて置く自体、お前のことちょっとは気に入ってんじゃないか」
ってことだけど、あたしとしては体のいい使いっ走りとして抜擢されたような気がしてる。
実力で選ばれたんだったら、嬉しいけどね。
そして3月30日。
ついにこの日がやってきた。
今日マユリ様は、
マユリ様は虚圏にはいつも一人で赴いている。
阿近さんが心配していた計画を実行に移すべく、あたしはマユリ様に直談判した。
「隊長!今日は私もお供してよろしいですかっ?」
マユリ様はそう訴えたあたしをじっと見つめ、少し考えた後
「邪魔になるようなら虚圏に置いてくるが、それでもいいかネ?」
めんどくさそうに、だけどとりあえず許可してくれた。
まずは、第一段階クリア。
離れた所でやっぱり心配そうに見守ってくれてる阿近さんに、小さくガッツポーズを作って見せる。
「だったらさっさと支度することだ。もたもたしていると置いて行くヨ」
「はいっ!」
とりあえず必要だと思われる資料などを抱え、懐には今日一番必要な物を忍ばせる。
それは、小さな包みに入ったマユリ様へのプレゼント。
何を隠そう、今日はマユリ様のお誕生日。
つまりあたしの計画とは、虚圏で、ふたりきりの場所で…マユリ様に誕生日プレゼントを渡すこと。
そしてマユリ様と呼ぶ許可をいただくこと。
無謀かな?
そうかもしれないけど、何もしないで諦めるのだけは嫌だしね。
この日の為に今まで頑張って来たんだから、きっとマユリ様も悪いようにはしないよ。
そう言うあたしに、阿近さんはいつも呆れたようにため息をついたっけ。
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