僕の望み、君の望み
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同じ年、同じ日に、隣り合った貴族の家に生まれた可那子とイヅルは、幼い頃からいつも一緒だった。
ふたりが小さい頃は、家族や友達も含め大勢で誕生日を祝ってきた。
イヅルが真央霊術院に入る少し前頃には、親しい友人たちと祝うようになっていた。
そしてこの頃から、ふたりにとってお互いはかけがえのない大切な存在になり始めていた。
ただふたりとも奥手だったため、なかなか口に出せずにいたのだった。
そんなふたりの仲が少し進展したのは、イヅルが死神になることを決めた時。
「ふたりの誕生日には毎年必ず帰ってくるから…だから、これからは…ふたりきりで誕生日を祝おう!」
真央霊術院入学式の朝、見送りに来てくれた可那子にイヅルは言った。
いつもどこか気弱で奥手なイヅルの精一杯の告白。
愛の言葉はないけれど、可那子への想いだけが込められたとてもあたたかくてイヅルらしい告白に、可那子は嬉しそうに
「うん、約束ね」
と笑い、ふたりは指切りをして約束を交わした。
そして…去年の誕生日までは毎年、その約束は違うことなく果たされていたのだった。
去年、イヅルは護廷十三隊三番隊の副隊長になった。
その年の誕生日…ふたりは初めてのキスをした。
あれから一年…。
以前まではイヅルの時間が取れた時には逢えていたが、イヅルの席次が上がるにつれ、そしてイヅルが副隊長になってからは更に、それもままならなくなっていた。
可那子の気持ち…イヅルを好きだという気持ちは変わらない。
むしろ逢えなくなってその想いはますます強くなっていく。
そして想いが募るにつれ、寂しさも募っていく…。
しかし一方で、死神の仕事が忙しいのも理解している。
逢いたいなんてわがままは言っちゃいけないと、いつも可那子は自分に言い聞かせていた。
けれど、そう思う反面…
今年の誕生日には、イヅルとの絆が欲しい――…と強く思い始めているのも確かだった。
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