ここにいることの意味
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霊力を持っていた可那子は、空腹の為に流魂街の街外れで倒れていた。
久しぶりに流魂街に出向いていた一角が見つけなければ、助からなかったかもしれない。
一角は、可那子に食べ物と知識を与えた。
霊力の扱い方と戦い方、そして死神になるための知識。
可那子には鬼道の素質が充分にあり、それに気付いた一角は可那子に鬼道衆への入隊を目指すように勧めた。
一角が初めて可那子を抱いたのは、可那子が真央霊術院に合格した時だった。
『ご褒美が欲しい』
そう言った可那子を、一角もためらいなく抱いた。
それから入学式までの一週間、一角は可那子を抱き、可那子は一角に抱かれて過ごした。
直接的な愛の言葉はなかったにしても、確かにふたりは愛し合っていた。
しかし可那子が霊術院に入学した直後可那子からの連絡が途絶え、時を同じくしての旅禍騒動で一角にも余裕がなくなっていた。
その後も忙しさに取り紛れて気付けば6年が過ぎ、奇しくもそれは真央霊術院のカリキュラムが終了する年数と同じだった。
そして、再会の日が訪れる。
「一角」
誰かが一角を呼んだ。
十一番隊隊舎の庭に面した縁側で酒を片手にぼんやりしていた一角は、その声に振り返る。
「!…可那子!?」
「や、久しぶり。元気してた?」
驚いて酒を取りこぼしそうになる一角に対し、可那子は飄々と言葉を発する。
「なんでお前こんなとこに…」
「あーまたお酒飲んでるー」
一角が問いかけるが、可那子はそれには答えず一角の手から酒の入った瓢箪を奪い取る。
「ちょっと、こっち来い」
事情の分からない一角は、当然他の隊士たちも通るこの場所から、とりあえず可那子を連れて離れた。
「へぇ、ここが一角の部屋?じゃあ、あたしもこういう部屋もらえるのかな」
「!?…お前、何言ってんだ?まさか…」
一角の部屋へ連れて来られた可那子がまず発した言葉に、一角はますます驚きを隠せない。
「そう、そのまさか。ほんとはもうちょっと早く連絡しようと思ってたんだけどね」
「そういや、十一番隊に志願入隊した女がいるとか聞いてたが…」
確かにそんな噂は聞いていたが、まさか可那子だとは思わない一角は、奇特なヤツもいるもんだと思った程度だった。
「そう、それがあたし」
「なんで鬼道衆に行かねぇ!」
「…そんなことより」
にこりと笑う可那子に一角が問うが、可那子はそれには答えず
「おい、可那子…!」
「あたし、ちゃんと卒業したよ。だからご褒美、ちょうだい…?」
そう言いながら、一角に抱きつき押し倒した。
「ね、いいでしょ?一角…」
一角を見下ろす可那子の長い髪が、一角の頬をくすぐる。
「…ちっ」
小さく舌打ちしながら、一角は可那子を強く抱きしめ、体の位置を入れ替えて可那子を組み敷いた。
「一角…っ」
自分の名を呼ぶその唇を塞ぐように口づける。
可那子もそれに応えて舌を絡め…どちらのものか分からなくなった唾液が、唇の端からこぼれた。
その間に一角の手は荒々しく可那子の着物を脱がす。
真新しい死覇装の裏には、確かに十一番隊の隊章が縫い付けられていた。
「一角…」
可那子の声が逸れた一角の意識を呼び戻し…一角は、露わになったその胸に顔を埋めた――。