愛し愛されるということ
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あの後も私は結局隊長を休ませることはできなかったので、恐らくは故意に遅れて出勤して来て下さった射場副隊長と共に、なるべく隊長の負担を減らせるようにと隊務をこなしていた。
射場副隊長が席を外され、一息入れる為に私が隊長にお茶を差し出した時、
「そういえば、九番隊からおぬしを譲ってくれという話もあったんだが…」
隊長がありがとうと湯飲みを受け取った後、ふと思い出したように言った。
「え、嫌です!行きませんよ、私…っ」
私が焦って答えると、
「分かっておるさ。おぬしは優秀な部下だし、儂も譲る気はさらさらなかった。…が」
隊長は何やら言い淀む。
「…が?」
ちょっと不安になりながら私が先を促すと、
「こうなってしまう前に移動させてしまえば…」
まだそんなことを言う。
「もう、隊長っ!」
私が頬を膨らますと、
「いや、しかし…本当に、良いのか…?」
隊長の方がもっと不安そうに問いかけてくる。
「大丈夫ですよ、後悔はさせませんから」
その不安を取り除いてあげたくて私は笑って見せたけど、
「…、可那子…?」
隊長は私の言葉に何かを感じたのか、私の名を呼んだ。
「はい?」
隊長を見ると、その瞳にはちょっと困ったような色が浮かんでいて私も少し不安になったけど、
「そのセリフは、男のセリフじゃなかろうか…?」
隊長の口から出た言葉に
「そんなことないです。私が隊長を幸せにするんですから」
私は自信満々にそう答えた。
隊長は一瞬私の答えに面食らったような表情を見せたけど、その後私たちは、顔を見合わせ笑い合ったのだった。
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