嘘
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恋次はルキアを好きなんだと思ってた。
でも、あたしを好きだって言ってくれてすごく嬉しくて。
でも恋次とルキアは幼なじみだからすごく仲がよくて。
恋次と付き合えることになっても、心のどこかで不安だったのかもしれない。
恋次は、本当はルキアが。
ルキアは、恋次を。
…好きなんじゃないかって。
「可那子、どうした?」
黙ってしまったあたしに、ルキアが問いかけてくる。
『どうして嘘をつくの?』
喉まで出かかった言葉を飲み込んで、
「プレゼント、間に合わなくてごめん」
あたしはルキアに謝って、その場を離れた。
恋次に直接訊かなかったのは、きっと怖かったから。
恋次の口から、恋次の本当の気持ちを聞かされることが。
あたしは三日間恋次と口をきかず、その次の日に朽木隊長に指示された一週間の現世出張も、恋次には伝えずに行った。
伝令神機は虚出現情報のみ受信し、それ以外は全て拒否して。
だけどあたしは毎日毎晩、恋次とルキアのことばかり考えていた。
恋次…ルキア…。
本当にお互いがお互いを好きなのなら、あたしは諦めるしかないよね。
でも、あたしには自信がなかった。
恋次を忘れる自信も、ふたりが付き合いだした時…ルキアと今まで通り親友でいる自信も。
あたし、心せまいな…。
自分の心の醜さに嫌気がさす。
でも、もしかしたらあたしの勘違いかもしれないし…とも考える。
でも、何度考えてもあの箱は間違いなく恋次の部屋で見たものだったという結論からは離れられない。
大きさも、ラッピングの柄も。
毎日堂々巡りで、あたしは疲れきってた。
だから、現世の人間や整の魂魄達には申し訳ないけど、虚が出てくれると助かった。
忙しいほど、大変なほど…余計なことを考えなくて済むから。