嘘
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1月14日はルキアの誕生日。
プレゼントに悩んだあたしは、少し前に遊びに行った恋次の部屋で手のひらより少し大きいくらいの綺麗にラッピングされた箱を見たのを思い出した。
恋次が引き出しを開けた時にちらっと見えただけだったけど、もしかしたらあれがルキアへのプレゼントかと思い、あたしは恋次に訊いた。
「ねぇ恋次、ルキアの誕生日、何あげるの?」
「いや、別に何もやらねえよ」
恋次の答えに、じゃああれは何?って訊こうと思ったけど、もしかしたらその2週間後のあたしへの誕生日プレゼントかも…なんて期待が胸をよぎって、訊くのをやめた。
その時の恋次の言葉…疑ったりしなかったのに。
その日―ルキアの誕生日当日―、普段はぎりぎりに詰所にやってくる恋次が、あたしより早かった。
早く目が覚めただけだって恋次は言ってたよね。
隊務が終わってルキアにプレゼントを渡そうと十三番隊の詰所に向かう途中、ルキアの背中を見つけた。
声をかけようとしたけど、後ろに組まれたルキアの手にあるそれを見たあたしは、目を疑った。
あまり動揺すると霊圧でルキアに気付かれるから、あたしは必死に自分を落ち着かせ、もと来た廊下を戻った。
次の日、ルキアに訊いた。
そう、あたしは…この日初めて、恋次を疑ったんだ。
「恋次に何もらったの?」
「いや、何も貰っておらぬぞ。恋次などが私に何かくれるわけがないではないか」
さりげなく訊けたと思う。
だけどルキアの答えはあたしの予想とは違っていた。
恋次は、ルキアには何もあげないと言った。
ルキアは、何も貰ってないと。
だったらそれでいいじゃないの。
何を心配することがあるの?
そう素直に思えたら良かった。
だけど、昨日ルキアの手に握られていたものと、恋次の部屋で見たものが同じものだったのは、間違いない。
もちろん、幼なじみなんだからプレゼントをあげたっていいし、もらったっていい。
そんなことを言ってるんじゃない。
ただ、嘘をつかれたことだけが悲しかった。
『嘘はつかないこと』
それが、あたしと恋次が付き合う時に交わした、唯一の約束だったのに…。
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