答えはひとつ
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「なぁ、可那子…」
「何でしょう」
「もし俺が2を選んだとして…お前から告白してくれるっていう答えはなかったのか?」
帰り道、俺はちょっと気になっていたことを訊いてみた。
「残念ながら、ないですね」
俺の問いに、可那子はそう言いながら足を止め
「3でも同じですけど…答えも聞かないまま諦めちゃうなんて、そんなの副隊長じゃないですもの」
と、なんだか拗ねたような表情で続けた。
しかしその後、
「でもそうすると、私も一生片想い…確定しちゃうんですけどね」
と、はにかんで笑う。
その顔を見た瞬間、俺の体はまた可那子を抱きしめていた。
「副隊長…っ!?」
俺の突然の行動に戸惑った声を上げ、
「その顔…反則だっつったろ」
「え…っそんなの聞いてませ…ん、…っふ…」
と、俺の理不尽な物言いに反論しようとする可那子の唇をふさぐ。
思う存分その唇を味わってからそれを解放すると、
「もう、こんな場所で…」
可那子は恥ずかしそうにうつむいて俺から離れようとする。
「“こんな場所だから”、これでもめちゃくちゃ抑えてんだぜ」
そんな可那子の肩を抱き耳もとで囁くと、
「…っ!」
可那子は何か言おうとして、でも言葉にならず、一気に耳まで真っ赤になる。
…可愛くてたまらねえ。
マジで俺は自分に目一杯ブレーキをかけ、朱に染まったその頬に軽くキスをした。
可那子が俺を見る。
「わり、ちっといじめすぎた。とにかく帰ろうぜ、暗くなっちまう前にな」
まだ少し警戒している様子の可那子に俺がそう言うと、可那子はようやく安心したように小さく笑って、こくんと頷いてくれた。
もうすぐ暗くなりそうな山道を俺たちは歩き出した。
やっと捕まえたこの愛しい存在を…二度と離すまいと誓いながら。
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