答えはひとつ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
俺には好きな女がいる。
名前は、可那子。
俺のひいき目をナシにしても、可愛いと思う。
狙ってるやつも、おそらく多い。
入隊してきた当初は十三席で、可愛いな、とは思ったが…まぁそれだけだった。
だけどあいつはいつもまっすぐで前向きで、鍛錬も欠かさず、5年経った今は五席まで昇って来ていた。
そう、気が付けば5年の間…あいつだけを見続けてきた。
その間、言い寄る男がいたことも知ってる。
あいつは…可那子は、それをいつもやんわりと断っていた。
そして可那子は、俺を慕ってくれた。
だから俺も、それに応えて来た。
稽古にも付き合ってかなり鍛えてやったし、メシにも呑みにも連れて行った。
可那子を好きだと意識したのはいつだったろうな。
そうだ、あれはあいつが初めて実戦に出た時。
入隊してまだ間もない頃だった。
あいつ、
一瞬の隙を衝かれた感じで、俺がフォローに入るのが遅れたのも原因の一つだった。
あいつの血を見た瞬間、頭ん中が真っ白になった。
虚をぶった切り、俺は可那子の体を抱えて四番隊へ走った。
その時の俺は、他に何も考えられなかった。
こいつが助かるなら、他には何もいらないと思った。
絶対に無くしたくなかった。
こいつだけは失っちゃなんねえって思った。
その時分かったんだ。
俺は、こいつが…可那子が、好きなんだって。
そうして5年経った今も…変わったのはあいつの席次だけ。
俺たちの関係は、六番隊の上官と部下。
あいつにとっちゃそれ以上でもそれ以下でもないだろう。
分かってる。
んなことは百も承知なんだよ。
だけど俺は最近、今にも爆発しそうな可那子に対する気持ちをかなり持て余していた。
寝ても覚めても、あいつのことばっかり考えてる。
やべぇな、俺。
そろそろ限界かもしれねえ。
1/3ページ