捕まえて、離さない
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…大丈夫か?」
恋次は腕の中でぐったりしている可那子に声をかけた。
「はい…」
何もかもが初めての経験だった可那子は、しかし心地よい疲労感に包まれていた。
可那子を腕に抱いたまま自分の体も横たえ、恋次は
「ずっとああやって呼べよな」
天井を見上げたまま言う。
「え?」
唐突な恋次の言葉がすぐに理解できず、可那子は聞き返した。
「名前。ルキアとかだってそう呼ぶしな」
しかし恋次のその言葉を聞いた途端、可那子はさっきまで自分が恋次をどう呼んでいたかを思い出した。
「…きゃあっ!」
「な、なんだよ」
突然声を上げて飛び起きた可那子につられて、恋次も体を起こす。
「やだ、すみませんっ!私、夢中で…っ」
「可那子?」
「…呼び捨てとかありえない…」
呟きながら、肩を抱き寄せようとする恋次の胸を押し返す。
しかし恋次は
「何でだよ。俺に、夢中だったんだろ?」
普段の恋次らしく不敵に笑い、
「副…隊長…」
「恋次だっつってんだろ?」
それでもなお名前を呼ばない可那子を冗談ぽく睨んだ。
「でも…」
「もっと俺に夢中んなれよ、可那子…」
困ったように俯いた可那子を今度こそ抱き寄せ、唇が触れるか触れないかの所まで顔を近付ける。
「恋、次…」
「そうだ。もっと夢中んなって、もっと俺を呼べ」
そして恋次は、観念したように恋次の名を呼ぶ可那子に満足そうに笑むと
「恋次…私、…っ」
何かを言いかけた可那子のくちびるに軽くキスをする。
「好きだぜ、可那子」
「私も、大好きです…」
それだけ言うのが精一杯で真っ赤になって俯いてしまった可那子を、恋次はもう一度抱き寄せ、強く抱きしめた――。
(11,1,1)
3/3ページ