キスをする場所10のお題
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金曜の夜の神室町は、いつも以上に騒々しい。
溢れかえる人の波に流されないよう、杉浦は可那子の手を強く握りしめていた。
華奢なその手は、少し力を緩めればすぐに雑踏に飲み込まれてしまいそうで。
「すごい人だね、文也」
「うん。はぐれないように、もっとくっついてて」
そう言って、繋いだ手を自分のコートのポケットに招き入れた。
信号待ちの交差点。
大型ビジョンの光が、可那子の横顔を鮮やかに照らし出した。
ふと、通りすがりの酔っ払いがふらつき、可那子にぶつかりそうになる。
杉浦は反射的にもう片方の手で可那子の肩を抱き寄せ、自分の胸に守り入れた。
「きゃ…っ」
「大丈夫?」
「う、うん。ありがとう」
見上げた可那子の瞳が、街の灯りを反射してキラキラと揺れている。
その無防備な表情が愛おしくて、周囲の視線なんてどうでもよくなった。
「……」
杉浦は可那子の視線を遮るように屈むと、人波の喧騒を消し去るように、その唇を塞いだ。
一瞬の静寂。
「っ!?ふ、ふみや…っ!」
真っ赤になって周囲を見渡す可那子に、杉浦はいたずらっぽく笑って見せる。
「これからもずっと。僕だけ見ててよ」
この街の誰よりも、君を守れるのは僕だけだと証明するように。
(公衆の面前で)
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