キスをする場所10のお題
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張り込み中の車内は、退屈と緊張が奇妙に入り混じっている。
(あーあ、暇だなあ…)
助手席で帽子を目深にかぶり直しながら、杉浦はふと、遠い世界に思いを馳せた。
もし今、この探偵稼業がなくて、過去のしがらみも全部なくなって。
ただの
例えば南の島とか、誰も僕らのことを知らない場所。
白い砂浜、青い海。
パラソルの下で、可那子が麦わら帽子を押さえながら笑っている。
「文也くん、冷たいの飲む?」
「ありがと。…ねえ、こっち来て」
差し出されたグラスを受け取るよりも先に、彼女の手首を引いて引き寄せる。
驚いた顔をする可那子の唇に、誰に遠慮することなく口づけるんだ。
「んっ、…もう、人が見てるよ」
「いいじゃん、ここは僕らの楽園なんだから」
そんな、甘すぎて自分でも呆れるような光景。
現実の神室町の雑多な空気とは真逆の、穏やかで優しい時間。
(…なんてね)
思わず緩みそうになる口元を、杉浦は手の甲で隠した。
隣で海藤がいびきをかいている現実に戻りつつも、いつかその妄想を「予定」に変えてやろうと、心の中で密かに誓うのだった。
(妄想の中で)
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