キスをする場所10のお題
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読みかけの雑誌を閉じて、杉浦はソファでうたた寝をしている可那子に視線を移した。
テレビからは深夜のニュース番組が小さな音で流れているだけで、部屋は静寂に包まれている。
可那子の頭が、カクンと揺れた。
「…風邪ひくよ」
起こさないようにそっと身を寄せ、ずり落ちそうになったブランケットをかけ直す。
その拍子に、可那子が寝言のように小さく「ふみや…」と呟いた。
(夢の中でも、僕を呼んでくれてるの?)
胸の奥が、温かいもので満たされていく。
かつては仮面で顔を隠し、復讐のために『杉浦文也』という偽名を使って生きてきた
外の世界では今もその名で通しているけれど。
でも、この部屋で彼女と過ごす時だけは、何も偽らない、ありのままの――「寺澤文也」に戻れる。
帰る場所は、ここにある。
「ありがとう、可那子」
聞こえないと分かっていても、言わずにはいられなかった。
杉浦は可那子の寝顔を愛おしげに見つめると、その唇に「おやすみ」のキスを贈る。
可那子が微かに微笑んだ気がして、彼は満ち足りた気持ちで、その隣へと身体を沈めた。
(部屋で)
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