初めての恋
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丸井ブン太、15歳。
立海大附属中3年、テニス部所属。
彼女いない歴15年。
告白されることは数あれど、今はテニスに集中したいからと、友人たちに叱られ妬まれながらも彼女は作らなかった。
そんな俺が現在体験中なのが、片想いというヤツで。
きっかけは3年になって初めての試み、女子テニス部との合同練習だった。
立海大附属中女子テニス部。
もちろん全国常連。
しかし一昨年制覇した全国を去年は氷帝に取られ、今年はそれを取り返すために男子顔負けの練習をこなしている。
普段は別々のコートだから、名前は知ってても今までプレーは見たことがなかったんだけど。
そんな中、男子の準レギュラーと対等にやり合う女子レギュラーの中で、彼女はひと際目を引いた。
うまいし、強い。
だけど俺の心を捉えたのはそこじゃなくて、彼女の笑顔だった。
めちゃくちゃ元気にコート狭しと走り回る彼女の、ポイントを取った時の笑顔。
すごく楽しそうにテニスをするその姿から、気が付いたら目が離せなくなっていて。
好きだと自覚するのにそう時間はかからなかった。
蔵本可那子。
それが彼女の名前で、俺の片想いの相手。
クラスはだいぶ離れているから普段の接点はないに等しい。
けど思ったより成果があって大会の少し前まで続けることになった合同練習のおかげで、普通にしゃべれるくらいに近付くことはできた。
俺のことを好きになって欲しいとか付き合いたいとか、思わなかったと言えば嘘になる。
だけど絶対的に経験値が不足していた俺にとっては、今の状況でも十分満たされていたんだ。
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