堂島大吾⑥
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「いい加減風邪ひくぞ」
「もう少しー」
はあっと手に息を吐きかけながら、あたしは大吾の部屋のベランダから空を見上げていた。
今夜の予報は雨か雪。
強い冷え込みに期待しつつ、でも確証はないそれをあたしは辛抱強く待った。
でもほんとにそろそろ風邪ひいちゃうかもな、と思ったその時。
それがふわりと目の前を横切った。
ひらり、ひらり。
やわらかく舞い落ちては儚く消える、真っ白な雪。
「大吾…っ、」
「おー降ってきたな」
嬉しくて振り返ったら、大吾がちょうどベランダへ出てきたところだった。
咥えた煙草を大きく吸い込みふーっと煙を吐き出すと、いつもより濃い白がたなびいて消えていく。
「よかった…今年の初雪も大吾と一緒に見れてすごく嬉しい!」
そう言って隣を見上げたら、触れるだけのキスが落とされた。
自分が冷えきっているせいか、大吾の唇がすごく熱く感じてドキドキする。
…のだけど。
「…たばこくさい」
「わり、――…少し我慢な」
柵を背にして抗議の声を上げるあたしの左右に手をついて、大吾は身を屈める。
もう一度、今度はさっきとは違う深い口づけ。
それは優しくてあたたかい、大好きな大吾のキス。
抱きしめられたまま空を見上げたら――…
どこか遠くで、クリスマスの仕度をするトナカイの鈴の音が聞こえた気がした。
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