⑥
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渋澤の手が可那子の頬を滑り顎を捉える。
抗わず見上げたそこで、唇が重なった。
今まではキスという行為にあまりこだわりはなかった。
しかしお互いの気持ちを確かめ合った後の口づけは、とても特別なものに感じられた。
そして続くのはもちろん――…
「あ、だめ…っ」
当然のようにベッドに押し倒されたところで、可那子は慌てた声を上げた。
「まだ何か不満があるのか」
「違うんです!あの、今日は…っ、」
「……」
困った顔で言いづらそうに口ごもる可那子を見て、渋澤はため息をつき可那子を解放する。
生理を初めて疎ましいと思いながらごめんなさい、と体を起こした可那子は、その時ふと思い立って小さくその名を呼んだ。
「あの、…私に、させてもらえませんか…?」
以前から考えていたことではあった。
しかしいつも渋澤に翻弄されてしまい口に出せずいたことを、可那子は思い切って口にした。
その言葉に一瞬目を見開いた渋澤だったが、
「満足させてくれるんだろうな」
そう言って可那子の顎を捉え、口角を上げた。
これが初めての奉仕となる可那子の口技は、当然巧いとは言い難い。
が、それでも渋澤は自身が着実に昂められていくのを感じていた。
少し苦しげな可那子の表情と、その口内を出入りする自身を見ていた渋澤の手に力がこもる。
「…っ、」
小さな息と共に、可那子の喉の奥に渋澤の精が吐き出された。
それを飲み込んでから可那子は、口もとを拭いつつゆっくりと視線を上げた。
「…あ、あの…、うまく、できてましたか…?」
「――…、」
「あ…っ!」
渋澤は遠慮がちに訊いた可那子の体をぐいっと持ち上げ、ベッドに押し倒した。
「渋澤、さん…?」
しかし戸惑った様子の可那子にはっとして思い止まる。
すぐに解放された可那子は、自分を見下ろす渋澤の目が男の目だったことに驚いていた。
男の欲は射精すれば治まるものだと思っていたから。
けれどそうじゃないのなら、と可那子は考える。
本当は言いたくない、湧き上がる嫉妬のような感情を必死に抑えながら平静を装いつつ、可那子は口を開いた。
「これからもこんなことがあるかもしれないですし、…ですから、あの…」
「アホか、店なんざ行かねえよ」
しかし可那子の言わんとすることを察した渋澤がそれを遮る。
「盛りのついたガキじゃねえんだ、女なら誰でもいいわけじゃねんだよ」
それを聞いた可那子は無意識に、しかし明らかにほっとした表情を浮かべてしまう。
「ったく、ちょっと来い」
ひとつため息をついてから、渋澤は可那子を膝へと抱き上げた。
「え?…あの、」
「安心しろ、最後まではしねえよ」
言いながら、戸惑う可那子の頭を引き寄せてキスをする。
そのまま深く口づけながら可那子の胸をはだけた渋澤は、露わになったふくらみを手のひらで包みながら指先で先端を捏ねた。
「…っ、ふ…」
唇の隙間から吐息混じりの声がこぼれ落ち、
「や、渋澤さ…あ、ぁ…っ!」
その唇を解放したそれで立ち上がった乳首を食むと、可那子は更に声を上げる。
僅かに口角を上げた渋澤が、それをかりっと甘噛みした。
「ああぁ…っ!!」
瞬間びくんっと体を震わせ、可那子はあっけなくイかされてしまう。
「これでもう満足か?」
荒く息をつく可那子に渋澤が訊く。
「…っ、」
渋澤の肩口に顔を埋めたまま可那子は首を振った。
体の奥の得体の知れない熱の塊が疼く。
それを鎮められるのは――…、
「俺ができなけりゃ、店でも行くか?」
「――…っ!!」
可那子はもう一度強く首を振ってから呟く。
「渋澤さんじゃなきゃ、いや…」
「…そういうことだ」
渋澤も小さく呟き、その体を抱きしめた。
***
それから数日後のある夜のことだった。
浴室のドアが遠慮がちにノックされた。
どうした、と訊く前に開かれたドアの前に立っていたのは、裸身にバスタオルを巻いた可那子だった。
「お背中、流させてください」
渋澤がああ、と短く答えると、可那子はほっとした様子で浴室に足を踏み入れその背後に跪いた。
背中の青龍を目にすることはそう多くはない。
可那子は指先でその輪郭をそっとなぞる。
そして、
「どうした、背中を流してくれるんじゃないのか」
その渋澤の声に促されるように、青龍に寄り添った。
シャワーの音だけがその場を支配する。
その沈黙を破るように、渋澤は体を動かし反転させた。
そして小さく息を呑む。
熱を帯びた、今にも泣き出しそうな切なげな瞳を渋澤に向けていた可那子は、身を乗り出すようにして渋澤の両頬を包み、噛みつくようにその唇に口づけた。
抱き寄せられるままにその脚の間に収まり、首に腕を回してその唇を貪る。
バスタオルがはだけるのも気にならなかった。
どのくらいそうしていたのか、自分の太ももの辺りに当たる熱に気付いた可那子はゆっくりと唇を離し、その熱に触れながら身を屈めた。
しかし渋澤はその腕を掴み動きを止めさせると、そのまま可那子を立ち上がらせる。
そして片脚をバスタブへと上げさせれば、渋澤の目の前には可那子の秘部が晒された。
「や、渋澤さ…っ、あんっ!!」
風呂場の暑さにだけでなく全身を紅潮させた可那子が隠そうと伸ばした手を片手で押さえ、もう片方の指先で渋澤は可那子のそこを軽くひっかいた。
途端にとろりとこぼれ出した愛液に濡れた指が、その中に潜り込む。
「…っ、ふ…っあ、ぁ…、」
更に熱を帯びていくそこをかき混ぜるのに合わせていやらしく溢れる愛液は、湯と共に渋澤の手を伝い落ちた。
「や…っ!あ、ああぁ…っ!!」
その時ずっと触れてもらえず疼いていた肉粒を突然舐め上げられ、可那子はその強い刺激に体を震わせた。
渋澤は腰掛けていた不安定な風呂イスをどかしつつ崩折れた可那子を抱き止め、そのまま自分に跨がらせる。
「あ、あ…っ、!」
掴んだ腰をぐっと引き下ろせば、いきり立った肉棒は難なく可那子の中に呑み込まれていった。
「ああ、あ、あ…っ、」
下から強く突き上げられ声を上げながらも、可那子もそれに合わせて快感を貪るように自ら体を上下させた。
普段上に乗るのを恥ずかしがる可那子のいつもとは違う様子に僅かに口角を上げた渋澤は、
「どうした、随分たまってるみたいじゃねえか」
動きを止めてそう訊いた。
言われた可那子は恥ずかしそうに俯いた後、渋澤に抱きついて呟く。
「渋澤さんの、せいです…」
「火をつけたのは、お前だろう?」
すると渋澤はふん、と笑ってそう返し、可那子の体を持ち上げてそこから自身を抜いた。
そしてその体を抱き上げつつ立ち上がると浴室を出る。
「渋澤、さん…」
廊下が水浸しだとか下ろされたベッドも濡れちゃうとか、考えられたのは僅かな間だった。
「あ、ああぁ…っ!!」
ベッドの上、即座に開かれた体に渋澤が入ってくるまでの間だけ。
「や、あ…、あっ、あぁ…、は、しぶさ、さん…っ、あぁ…っ!」
間髪入れず律動する渋澤にしがみついて、可那子は声を上げた。
この数日、可那子は渋澤が欲しくて仕方がなかった。
あの日―渋澤とともにこの部屋に帰って来た日―の熱が体の奥でずっと燻り、可那子を苛んだ。
はしたないと分かっていても自分を止められずに浴室へ向かってしまった可那子だったが、しかし渋澤もまた同じ熱を燻らせていた。
焦らされすぎた体はそう簡単に熱を失わない。
ふたりは何度も強く、お互いを求め合うのだった。
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