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存在を隠されていたためもともと堂島の家には居場所がなかったし、可那子もそれは受け入れていた。
与えられたマンションには堂島の関係者が訪れることもない。
それが今の可那子には好都合だった。
阿波野は忙しい人間で、気まぐれに可那子の部屋にやって来る。
次の約束などあるはずもない。
しかしそれでも可那子は幸せだった。
***
そんな幸せな日々を過ごしていた可那子が、ある日堂島の家に呼ばれた。
突然の呼び出しを受け当然警戒する可那子への用件は、可那子自身の見合いについて。
言葉巧みに話をされるが、要するに堂島組ひいては東城会のためのていのいい人身御供として可那子を差し出すというものだった。
「絶対にいやです」
「勝手は許さん」
「これまでの私への処遇をとやかくいうつもりはありません。ですが、私を勝手だと言うなら兄さまも同罪です」
可那子は毅然と言い放ち、それに、と続ける。
「これは本来必要ない情報ですが、ひとつだけ。私はもう、処女ではありません」
「なんだと!?相手は誰だ!!」
可那子の言葉に宗兵が激昂するが、可那子は静かに立ち上がりそんな兄を真っ直ぐに見据えた。
「言いません、言う必要があるとも思いません。とにかくお見合いはお断りを。失礼します」
「待て!可那子!!」
恭しく頭を下げ宗兵の声にも耳を貸さず、可那子は堂島の家を後にした。
***
部屋に戻った可那子は、ここの所ほぼ同棲状態になっている阿波野の帰りを待った。
余計なことを話してしまった、阿波野のことなどすぐに調べられてしまうだろうことを詫びなければならないと思っていた。
夜になって部屋に戻った阿波野は、無言のまま可那子の前に立つ。
「あ、お帰りなさい阿波野さん…あの、すみません少しお話、が…、っ」
ぼんやりと待つ間にうとうとしてしまっていた可那子が慌てて立ち上がると同時に、阿波野はその頭を強く抱き寄せ唇を塞いだ。
「待っ…、あの阿波野さ、…っ!」
間髪入れず舌を捩じ込まれ様子を窺いたくても解放されず、そのままソファに押し倒される。
そしてめくれたスカートの中、ショーツを脇にずらしたそこにほぼ無理やり阿波野自身が突き立てられた。
「ああぁ…っ!!」
すぐに律動し始める阿波野に可那子は必死に訴える。
「待っ、て…!待ってくださ、や、あぁっ!阿波野さん…っ!」
明らかに様子がおかしい。
確かに普段から強引なところはあるけれど、話を聞いてすらくれないのは普通じゃない。
どうして、何が…?
混乱する頭の中、思い付く原因はひとつだけだった。
それはただの自惚れかもしれない、でも…!
「や、あぁっ!」
激しすぎて考えがまとまらない。
「もしかして、…っ、お見合いの、話、を…?」
言葉を選ぶこともできず、問いが口をついて出てしまっていた。
それに対し阿波野がわずかに反応を示したことで息を吐きかけた可那子だったが、
「あああぁっ!!」
しかしその直後更に激しく突き込まれ、悲鳴に近い声を上げてしまう。
それでも今のが答えだと理解した可那子は、体を揺さぶられながら必死に訴えた。
「しませんから、お見合いなんて…!っ、どこにも、行きません…!や、…っ、だからお願、もう少し、ゆっく、り…、あぁっ!」
阿波野に届いたのかどうかは分からなかった。
しかし動きは緩まず、最奥をがつがつと突かれ息ができない。
「――っ、は、ぁ…っ、ゃ、…っ!」
ただただ激しい動きに可那子は声も出せないほどに翻弄され――…その後吐き出された阿波野の精を、体の奥で受け止めた。
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