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「や、元気?」
久瀬拳王会会長室にひとりの少女が訪れた。
その姿をみとめた久瀬は、小さくため息を吐く。
「お嬢…、勝手に外出はしちゃなんねえときつく言われてますよね?」
久瀬を困らせるこの少女の名は、堂島可那子。
堂島宗兵の娘で、大吾の姉。
立場上は堂島家の長女ということになるが、しかし女であるという理由だけで堂島家には不要とされた存在。
生きて産まれてこなかったと伝えられていたその存在を知っているのは、拳王会の中では久瀬のみだった。
閉鎖的な環境に軟禁状態の可那子。
しかしそんな理不尽な境遇にあっても卑屈にならずに自分の立場を受け入れ、可那子は真っ直ぐに育った。
それを一番多く見てきたのが宗兵の代理として動いていた久瀬であり、そんな久瀬に可那子が親愛の情以上の感情を抱いてしまうのは自然なことだったのかもしれない。
素直な可那子はその気持ちをためらいなく久瀬にぶつけるが、そんなものは到底受け入れられるはずがないと久瀬は突っぱねる。
しかし可那子は諦める気配を見せない。
勘違いだと諭されても冷たくあしらわれても諦めなかったし、勝手に部屋を出てここまで来たのもその気持ちの表れだった。
そこで久瀬はひとつの条件を出す。
「俺のそばにいたいなら、俺の子供たちも慰めてやっちゃくれませんかね?」
間違いなくNOと言うはずだと高を括って出した条件だった。
しかし可那子はそれを受け入れた。
「…分かった。それが久瀬に逢う条件だって言うなら、いくらでもやるよ」
「…お嬢、自分が何を言ってるか分かってんですか?」
予想外の答えに驚く久瀬に、でも、と可那子は続ける。
「でもひとつだけお願い。初めては、久瀬がいい」
こうなってしまっては、逆に久瀬がNOと言えない立場になってしまう。
極道として、いや男として、一度口にしたことを曲げるわけにはいかないからだ。
自分の読みの甘さと可那子の馬鹿さ加減に久瀬はあからさまにため息を吐き、ソファに深く体を沈めた。
「分かりましたよ。…で?どこでやるんです?」
「…ここでいい。優しくなんてしてくれなくていいから、敬語もお嬢って呼ぶのもやめて」
言いながら可那子は、久瀬の脚に跨る。
首に腕を回して見つめても、優しく見つめ返してくれる瞳などそこにはない。
しかしそれは可那子には必要ないものだった。
可那子は久瀬の、瞳の奥の熱が好きだったから。
鋭い眼光に含まれる熱に、体の奥がぞくぞくと震える感覚が好きだったから。
ぐっと抱き寄せられるままに唇を重ねる。
ずっと焦がれてきた久瀬との初めてのキスに、めまいがした。
一方久瀬としても、優しくしてやるつもりなど毛頭なかった。
自分が満足できるかどうかだけが重要な久瀬は、可那子の体を値踏みするように吟味する。
自分の足に跨る太ももの肉づきは少し物足りないが、必死でまとわりついてくる舌のやわらかさと手のひらからこぼれそうな豊かな胸に、知らず口角を上げた。
「ふ、あぁ…っ!」
その胸を持ち上げ先端を口に含むと、可那子は恥ずかしさと気持ち良さで声を漏らした。
押し上げたシャツとブラを邪魔そうに脱がしそのまま膝立ちにさせると、スカートの中ショーツの脇から指を差し入れる。
「や…っ、あ、んん…っ!」
何も受け入れたことのないそこを這った武骨な指先は、既に熱く湧いた泉にゆっくりと呑み込まれた。
「あ…っ、ん、ん、あぁ、…っ、」
自分の中をかき回される初めての感覚に、久瀬の肩を掴み俯いて声を漏らす可那子。
濡れそぼった指先を舐めた久瀬は、ベルトを寛げ自身を取り出した。
久瀬としてはそれを求めたわけではなく、さっさと挿入してやれば終わりだと思っていた。
しかし可那子は久瀬の脚から降りるとその間に跪き、中心に立ち上がったペニスをためらいなく口に含んだ。
「…っ、」
久瀬が小さく息を漏らすのを感じた可那子は、握り込んだ手を上下させゆっくりと扱きながら舌先で鈴口をくすぐり、その後歯を立てないように奥まで呑み込む。
口で奉仕させることは滅多にしない久瀬は、久しぶりに与えられる女の体内とは違う強い刺激に腰の奥がずくりと疼くのを感じた。
久瀬の手は自然、可那子の頭を押さえていた。
喉の奥に先端が当たるのが殊の外気持ち良く、半ば無理やりそれを呑み込ませる。
時折苦しそうに眉をしかめながら、それでも必死に奉仕を続ける可那子を見下ろしていた久瀬の表情が一瞬歪んだ。
それは決して苦痛にではなく、言うなれば快感に。
同時に久瀬自身の体積が増し、久瀬の手に力が込められる。
「…っふ…、ん、んん…っ!」
「…っ、出すぜ、こぼすなよ…」
直後、どくんと脈打ったそこから吐き出された白濁が可那子の喉の奥へと流し込まれた。
「悪くなかったぜ。…どこで覚えた?」
僅かに咳き込みながらもそれを呑み込んだ可那子の顎を掴んで上向かせ、久瀬は満足げに問う。
すると可那子は頬を膨らませ、
「…初めてだ、って言ったでしょ」
言いながらまだ硬いままのそれをきゅ、と握った。
「下着脱いで乗れよ、…可那子」
初めて名前を呼ばれて促され、小さく笑みをこぼした可那子は言われた通り下着を脱ぎ捨てた。
膝立ちで脚に跨り、そこに久瀬自身を宛がう。
腰を掴む久瀬の手の力に抗うことなく、可那子は腰を沈めた。
「――…っ!!」
狭い道をこじ開けながら、久瀬のペニスは可那子の中を進んだ。
初めて感じる痛み。
けれどそのつらさも、久瀬に抱いてもらっている喜びの前では微々たるものだった。
「ああ…っ!!や、ぁ、は…っ、あ、あぁ…っ!」
下から突き上げられ背を反らすと、掴まれた腰を回されて奥を抉られる。
「久瀬っ、あ、やぁ…、久瀬ぇ…っ、」
切なげに眉根を寄せ、可那子は久瀬を呼びながら啼いた。
可那子の中はやわらかく吸い付くように久瀬自身にまとわりつく。
かと思うときつく締めつけて射精感を煽り吐精を促してくるそこへ、久瀬はためらいなく白濁を吐き出した――。
***
「いつから、どうやって…相手とか、すればいいの?」
久瀬は自分の願いを叶えてくれた。
『俺のそばにいたいなら、俺の子供たちも慰めてやっちゃくれませんかね?』
だから可那子も約束を守るため、自らそのことについて切り出した。
事が済んだあと有無を言わさず可那子のマンションまで送り届けた久瀬は、可那子の言葉を受けてその玄関先で足を止め少し考えて口を開く。
「…いや、あの話は無しだ」
「え?」
「気が向いたら抱いてやるから、それ以外は大人しくしてろ」
淡々と言った後、それに…とため息を吐く。
「あんまり勝手許してっと、親父に叱られちまうからな」
久瀬の意図は可那子には分からない。
しかしこれからも久瀬が抱いてくれるのだし、久瀬以外の男に抱かれる必要はない。
それが嬉しくて、可那子は久瀬に抱きついた。
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