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なかなかユウヤに言い出せないまま、時間だけが過ぎていく。
そんな中、その日は突然やってきた。
ニューセレナのママから非番だったユウヤに電話が入る。
その電話の内容に部屋を飛び出したユウヤは、一目散にニューセレナへと走った。
いつもなら小気味よい音を響かせる入り口のドアベルを派手に鳴らして店に飛び込むと、そこにはママと、伊達の姿があった。
「すぐに病院に行きたいところを呼び出したりしてごめんなさいね」
「いえ、それより話って…」
水を注いだグラスを差し出しながら言うママに、ユウヤはすぐさま本題を促す。
電話の内容は、可那子が倒れ病院に運ばれたというものだった。
どこの病院かと訊くユウヤに、しかしママは可那子のことで話があるから店に来てほしいと告げた。
すぐにでも可那子のもとに行きたいユウヤだったが、病院を教えてもらえなかった以上、ニューセレナへ行かないわけにはいかなかった。
「病院へ行ったら知ってしまうと思うから、その前に確かめておきたくて」
「…なんの話ですか」
「単刀直入に言うわ。可那子ね、妊娠してるの」
「…!!」
突然知らされた事実に、ユウヤは言葉を失った。
しかし直後、何かを思う表情を見せる。
「あの子ずっと悩んでたのよ、ユウヤさんが望んでないかもしれないって。私はユウヤさんがそんな無責任な人じゃないって思ってるけど…」
そんなユウヤに、可那子が望んだとはいえずっと隠してきたため少し言いづらそうにママが言い、しかしその後、きっぱりとした口調で問いかける。
「可那子のこと、そしてこれからのこと、どう考えてるの?返答次第では、病院を教えることはできないわ」
するとそこでようやく、今まで黙って様子を見ていた伊達が口を開いた。
「ま、事ここに及んで尻尾巻いて逃げ出すような情けない男を殴るために、俺はここにいるわけだがな」
答えなど聞かなくても分かってるとでも言いたげに、伊達はユウヤに向かいにやりと笑ってみせるのだった。