①
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「一輝、さん…」
店を出て少し歩いたところで足を止めた私は、一輝さんの袖をきゅっと握った。
「腕を組んでも…いい、ですか…?」
顔を見れなくて俯いていたから、一輝さんの表情は分からない。
するとほんの少しの沈黙の後一輝さんは、袖を握る私の手をそっとほどいてその腕で私の肩を抱いた。
「一輝さ…」
「いやだったら…俺の手振りほどいて、逃げて」
言葉と同時に肩を抱く手に力が込められて、
「え、…っ!」
見上げた私の唇には、一輝さんの唇が重ねられていた。
そのキスは、優しくついばんで柔らかく食むような甘い口づけで。
その後私はホテルの一室で――…一輝さんの胸に、強く抱きしめられていた。
***
やっぱり一輝さんは私の気持ちに気付いていたんだなと、痺れた頭でぼんやりと思う。
だけど唇が重ねられた時、もうそれ以上は何も考えられなかった。
キスをしながらその場で服を脱がされ、下着姿のまま抱き上げられた私は柔らかなベッドに降ろされた。
「あの、私…っ」
そのまま組み敷かれかろうじて声を絞り出すと、
「…初めて?」
一輝さんが優しく訊いてくれる。
こくりと頷くと、一輝さんはそっか、と小さく言った後
「でも――…優しくできなかったら、ごめん」
そう言いながら、私の首もとに顔を埋めた。
謝ってなんてほしくないって思った。
優しくなんてしてくれなくていいって。
だって私は一輝さんに抱いてほしかったんだから。
一輝さんに抱いてもらう、それだけでよかったんだから。
それが私のどうしても欲しかった、一輝さんとの思い出。
…一輝さんを、忘れるための。
「あ…っ!」
その時、びくりと体が震えて思わず声を上げてしまった。
いつの間にかホックを外されて露わになった胸の先端が、一輝さんの口に含まれていた。
「や…っ、あ、ん…っ!」
両方の胸を揉みあげながら、そこを舌で指先で転がされる。
私は一輝さんの頭を抱きしめて声をもらした。
一輝さんはその後も長い時間、私の反応を確かめながら胸だけを弄り続けた。
私の体の奥がどんどん熱くなっていくのを知りながら、だけどそれに気付かないふりをして焦らすように。
「…っ」
胸の先端が痛いくらい敏感になって、体がふるりと震えた。
すると一輝さんは私の太ももからももの付け根へとするりと手を滑らせた。
そのままショーツを脱がされ、指先が私の中心に触れる。
「や…っ、あ、ああっ!」
恥ずかしくて手を伸ばしてみたけど、その手をもう片方の手で絡め取りながら一輝さんは、そのまま指先を私の中へと埋めた。
その指先は私の中を探るようにゆっくりと動いて、刺激を与えながらかき混ぜる。
「あんっ!」
次の瞬間、突然体が跳ねた。
思わず上げてしまった声に一輝さんは
「ここ、気持ちいい?」
言いながら、そこを執拗に攻め始めた。
「あ…っ、や、あ…ん、ああ…っ!」
強く弱く与えられる刺激に、体がどんどん熱くなる。
「一輝、さん…」
腕を伸ばせば、優しくキスをくれる一輝さん。
「あ…っ!?」
その時、今まで感じたことのない感覚が私の中に押し寄せた。
「や、やだ一輝さ、…っ、」
体が浮きそうな感覚に怖くなっていやいやと首を振りながらシーツを握りしめると、
「イって…いいよ」
一輝さんは小さくそう言って、中をかき混ぜる動きを止めないまま敏感な突起を擦り上げた。
「や、ああぁ…っ!!」
瞬間、体の中の何かが弾けて頭の中が真っ白になった。
「は、あ…、っは…、っ」
体が勝手にびくびくと跳ねて、うまく息ができない。
それなのに一輝さんは、涙の滲んだ私の目尻とそして唇にそっと口づけた後
「もう少し、ね」
そう言って体をずらした。
「そんな、やだ…っ、ああんっ!」
身を屈めた一輝さんは私のそこに舌を這わせ、ゆっくりと舐め上げた。
腰のあたりがぞくぞくして、体が仰け反る。
思わず脚をばたつかせたら、太ももを抱えられ舌を奥までねじ込まれた。
たぶん一度イったからなんだと思うけど、私の体、さっきより敏感になっている気がした。
伸ばされた手に胸の頂を摘まれ、もう片方の指先に中をかき混ぜられる。
そして、熱を持って疼く突起を舌で転がされた時、
「や…っ、ああぁ――…っ!」
私はまた声を上げ、びくりと体を跳ねさせた。
「大丈夫?」
優しく訊きながら頬をなでてくれる一輝さんの手を、私はきゅっと握った。
「…私も、一輝さんにしてあげたい、です…」
すると一輝さんは一瞬目を見開いた後、訊いてきた。
「嬉しいけど…でもそれこそ大丈夫?俺、可那子ちゃんに無理は…」
「大丈夫、です」
一輝さんの言葉を遮るように言いながら、私は一輝さんの手をもう一度強く握りしめた。
シャツを脱いだ一輝さんの体は、色白だけど決して病的なものじゃなくて。
間近で見る、ほどよく鍛えられた裸の胸にドキドキした。
「――…っ、」
そして初めて見る、男の人のそれ。
「本当に、無理しないで」
心配そうに申し訳なさそうに頭をなでてくれる一輝さんに首を振ってみせる。
一輝さんが嬉しいと言ってくれたから。
少しでも一輝さんの優しさに応えたいから。
その硬さと熱さに驚きながらそれを優しく握りしめ、先端に口づける。
それからゆっくりと口に含むと、一輝さんが小さく息を漏らすのが分かった。
やり方なんて分からないけど、とにかく歯を立てないようにだけは気を付けた。
後はもう必死で、握りこんだ手で扱きながら顔を上下させてみる。
括れた部分を舌でなぞってみたり、吸い上げてみたりもする。
「…っ、」
一輝さんが時々漏らす吐息にぞくぞくした。
少しでも気持ちいいと感じてくれているのかと思うと嬉しかった。
一輝さんの手はいつの間にか私の二の腕のあたりを掴んでいた。
その手に時々力が込められるのを感じながら、私は動きを止めずそれを繰り返した。
しばらくすると、熱くて硬い一輝さんの質量が増したように感じられた。
と同時に二の腕を掴む手に力が込められたと思った直後、
「…っ!ごめ、ん…っ!」
一輝さんのそれがどくん、と脈打って…口の中いっぱいに苦味が広がった。
喉の奥に当たったそれを思わず飲み込んでしまって、私は盛大にむせてしまう。
「ごめん、大丈夫!?」
一輝さんが慌てて私を抱き起こしてくれる。
「っごめ、なさ…びっくり、して…」
「いやいきなりごめん、こっちが謝る側だよ。それに…吐き出しちゃってよかったんだよ?」
申し訳なさそうに言ってくれる一輝さんに、私は笑って見せた。
「ほんとに…だいじょぶ、です…」
だって嬉しかったから。
拙い私の奉仕で、一輝さんが達してくれたことが。
「まったく、本当に君って子は…」
すると私の体は、そう言った一輝さんに強く抱きしめられていた。
そしてそのまま押し倒され、脚を割られる。
直後、一輝さんの指がつ、と私のそこを滑った。
同時に発せられた言葉に恥ずかしすぎて泣きそうになる。
「すごいね、俺の舐めて感じちゃった?」
「――…っ!!」
こんなに意地悪な一輝さんなんて知らない…!
そう思うのに、だけど私の体は更に熱を持ってしまう。
「力、抜いてね」
私の反応を見てふふっと笑った一輝さんは、そう言って体をずらした。
私の中心に宛がわれる、それ。
そのままぐっと押し拡げられて、ぞくぞくとした感覚が背すじをかけ上る。
「――…っ!」
思わず体をのけ反らせてしまう私に、
「まだ、全部じゃないよ…」
動きを止めた一輝さんがそう言って、私の唇を指先でなぞる。
だけどその時の私は全身を何か例えようのない感覚に絡めとられていて、一輝さんに応えることができなかった。
その、直後だった。
「あ、ああぁ…っ!!」
最奥を抉るようにひと息に突き挿れられ、私は声を上げた。
「…っ、きつ…」
呟いた一輝さんが抱きしめてくれるけど、その腕の中で体がびくんびくんと勝手に跳ねてうまく息ができない。
「はっ…ぁ、一輝、さ…?」
しばらくそうして抱きしめててくれた一輝さんが、体を起こして私を見る。
「初めてなのに…挿れただけでイっちゃったの?えっちな体だね」
「――…っ!ごめ、なさ…」
やっぱり一輝さん、意地悪だ…!
さっき以上に恥ずかしくて死にそうで、泣きたくなる。
すると一輝さんは、
「可那子ちゃんは謝りすぎ。そんなに恐縮しないで?…それにこれは俺を感じてくれてるって証拠でしょ、だから…嬉しい」
言いながらやわらかな笑みを浮かべた。
「…っふ、あ、――…っ、」
そしてその後、一輝さんはゆっくりと少しだけ腰を引いて…それをまた奥へと押し込んだ。
「動いて…大丈夫、です…」
心配そうな表情の一輝さんに先回りして、私は笑って見せる。
すると一輝さんは安心したように小さく笑ってから、私にキスを落とした。
そして、ゆっくりと抜き挿しを始める。
「…っ、は、あ…っ、ああ、一輝さ、…っ」
少しずつ早くなっていく動きに、自分の体がどんどん昂められていくのを感じる。
痛みは感じなかった。
ただ快感だけが私の体を支配していった。
「あ、――…っ!?」
その時私を襲ったのは、最初にイった時に感じた体が浮きそうになる感覚。
だけどそれより強い波だった。
「やだ、こわい…一輝さん、私…っ」
縋るように一輝さんに腕を伸ばすと、一輝さんは私の体に腕を回して耳もとにそっと囁いた。
「大丈夫。そのまま、俺を感じてて…?」
「一輝、さん…っ」
私は動きを緩めない一輝さんにしがみついて…、
「あ、あ…っや、ああぁ…っ!」
一輝さんに抱きしめられたまま、またイってしまった。
「可愛いな、可那子ちゃん…」
一輝さんはその時少しだけ動きを止めて体を起こし、荒く息をつく私の目尻からこぼれた涙を拭ってくれた。
でもそれはほんの僅かな時間で。
「あ…っ!待っ、て一輝さ、ああっ!」
すぐに抜き挿しを再開されて、また強い快感が与えられる。
苦しくて、でも気持ちよくて、おかしくなりそうで。
「一輝さ…お願い、です一輝さん…っ」
私は一輝さんに懇願していた。
「嘘で、いいんです…今だけ、でいいから…、愛してる、って…、言ってください…!」
それだけをいつも願っていた。
一輝さんに恋をしたあの日から、ずっと。
その身勝手な願いを…一輝さんにぶつけてしまっていた。
けれど一輝さんは優しく優しく笑ってくれて。
「愛してる…、愛してるよ、可那子ちゃん…」
頬をなでながらそう言って…、強く抱きしめてくれた――…。