その御心と共に
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藍染の離反から始まり一時は
そんな中、一番隊隊首室から響く怒鳴り声。
隊長羽織を失くした三隊長への山本総隊長の叱責の声だった。
死神たちは皆、満身創痍だった。
総隊長である山本も、左腕を失った。
しかし左腕を失ってもその誇りと威厳は失われず、今なお護廷十三隊の総隊長としてそこに立っている。
傍でそれを聞いていた十三番隊隊長・浮竹は
「お元気そうですね、総隊長…」
と言った同三席・小椿、虎徹に
「あの人の代わりを務められる死神はまだ尸魂界にはいないからね…」
と答え、山本に体力が戻ってきていることを安堵した。
そして可那子は、その様子を少し離れたところから見つめていた。
流れる涙を気にすることもなく。
「蔵本」
そこへ、突然声がかけられた。
はっとした可那子は慌てて涙を拭い、声の主へと振り返る。
「浮竹隊長…」
「泣いて…いたのか」
可那子に気付き近くへと来たはいいが、声をかけたことに対し申し訳ないと言いたげな浮竹に
「安心…でしょうか。あの方を失わずにすんだことへの…」
可那子は頷き、静かに答えた。
「…そうだな。あの人の代わりになる死神はまだいないからな」
それに対し浮竹も頷き、三席に言った言葉をもう一度繰り返した。
可那子はその浮竹の言葉に嬉しそうに笑みを浮かべてみせた後、
「はい。それに…」
と隊首室の方へ視線を送り、目を細めた。
「あの方を失ったら、私自身、生きる意味の全てを失ってしまいますから…」
かすかに笑んだその頬に再び涙が伝う。
「蔵本、君は…」
「愛しているんです、たぶん。憧れ、なんて言葉じゃこの気持ちは絶対に表せない…」
どこか哀しげに、しかし慈母のように可那子は笑む。
「どうして、そこまで…?」
浮竹はぽつりと呟くように問いかけた。
「入隊した頃から、総隊長が総隊長であらせられたから、です」
それを聞いて首を傾げた浮竹に、可那子はもうひと言付け加えた。
「それ以上は、内緒です」
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