三島一八⑦
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「雪ですよ、一八さん!」
窓の外にちらちらと降り出した雪。
めったに見られないそれに喜んで一八さんにそう言ってみたけど、一八さんにはそれがどうしたと言わんばかりの顔で見られる。
「ちょっと上に行ってきますね!」
でもそんなことは気にしない。
私は部屋を飛び出してマンションの屋上へ向かった。
「さむーい!でも気持ちいー!」
はらはらと舞い落ちる雪。
残念ながら積もることはなさそうだけど、手のひらに落ちては融ける雪の感触を私は楽しんだ。
はあっと吐き出した白い息が、空に消えていく。
それをぼんやり見送っていたら、首もとにあたたかな感触。
「一八さん…」
「こんな薄着で風邪をひくだろう、馬鹿なのかお前は」
言いながらしっかりとマフラーを巻いてくれる一八さん。
「何故マフラーだけなんですか?」
「それ以外は必要ないだろう」
見上げた私を一八さんが自分の上着の中に抱き寄せてくれた。
そのまま強く抱きしめられる。
「あったかい、です…」
幸せなぬくもりに包まれたまま私は、もうしばらく雪の舞う空を見上げていた。
(15,7,5)
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