可那子の唇にグリムジョーのそれが重ねられ、既に遠慮を忘れた舌が可那子の口内を犯すと、グリムジョーの服の裾を強く握りしめながら可那子も必死にそれに応える。


少しでも気を抜くと今にもくず折れてしまいそうな可那子を、グリムジョーは抱き上げた。

そのままベッドへ運び、横たえる。


唇を重ねたままグリムジョーの手は可那子の首もとを滑り、可那子の着ている死覇装を脱がしていく。

それは、引き裂かれた服の代わりに与えられた白い死覇装だった。


はだけられ露わになった白い胸にグリムジョーの手が被せられ、首すじに滑らせた唇で紅い華を咲かせると同時にその指先は先端を摘む。


「…っ」

何もかもが初めての経験で、ともすれば自分の意志とは関係なく逃げ出しそうになってしまう体を可那子は必死に抑えていた。

が、恥ずかしさのあまりグリムジョーの腕を掴み僅かな抵抗をみせると、グリムジョーはその手首を絡め取る。

「…じっとしてろ」


そのままグリムジョーは可那子の死覇装の全てを剥ぎ取る。


一糸纏わぬ姿の可那子を眺めるグリムジョーに、

「見ちゃ、やぁ…」

顔も首も肌も朱に染め、泣き出しそうになりながら可那子が訴える。


グリムジョーはそんな可那子の様子をどこか楽しげに見やった後不敵に笑い、摘まれて硬く尖った先端を口に含み、舌で転がし、甘噛みした。


「あ…っ、や、ん…っ」

可那子は声を漏らし、やっと解放されたその手でグリムジョーの頭を抱きしめる。


やがてグリムジョーの手は可那子の脇腹から腰、太ももへと下りていく。

ももの内側に手を滑らせながら脚を開かせ、そのままグリムジョーの指先が可那子の中心に触れた。


「や…っ」

体をびくっと震わせて伸ばされた可那子の手をグリムジョーは再び空いた手で掴むと、その指先に口づけ、舌を這わせる。

と同時にグリムジョーの指が一本、ゆっくりと可那子の中に埋まった。


痛みはなく、不思議な感覚が可那子の中に広がる。


「ん…っ！」

ただ、そのまま中をかき回されると可那子は僅かに顔をしかめ、それに気付いたグリムジョーは可那子の脚を割るように体をずらしてそこに顔を近付けた。


「あ…っ！…ん、あぁ…っ」

舌を差し込みかき回した後、その上の小さな粒を吸い上げて舌で弾き転がすと

「あ、あぁ…っや、あ…」

可那子は声を上げ、その体はびくびくと跳ねた。


グリムジョーはゆっくりと体を起こすとそのまま可那子の中心に自身を宛がった。

可那子が不安げにグリムジョーを見上げる。


「…力、抜いとけ」

グリムジョーは可那子の頬に手を添えた。

その手のぬくもりに安心したように可那子の表情が僅かに緩むのを見て、グリムジョーは一気に腰を押し進める。


「あぁ…っ！ぅ…ん、く…」

初めて感じる痛みに可那子は声を上げ、その頬には涙が伝った。


「大丈夫か、なんて聞かねえぞ」

根元まで埋めた所で動きを止めたグリムジョーは、可那子の涙を拭いながら言った。

「…望んだのはお前だ」


言葉とは裏腹に労わるように頬をなでる手にグリムジョーの優しさを感じ、小さく笑んだ可那子は

「違うよ…」

と、そのグリムジョーの手をそっと握った。


そして、

「あたしは、グリムジョーの望みに応えただけ…」

言いながら可那子はグリムジョーの首に腕をまわし、抱き寄せようとする。


一瞬驚いたように目を見開いたグリムジョーもそれには逆らわず、抱き寄せられるままに可那子の耳もとに顔を寄せた。


「…言ってろ。…動くぜ」

そこに囁くようにグリムジョーは言うと、間髪を入れずに抽挿を始める。


「あ…ん、んぅ…、く、あ…っ」

痛みと僅かに混ざる快感とで、可那子は切なげに眉根を寄せ声を漏らした。


律動を続けるグリムジョーの動きに翻弄されながら、しかし徐々に湧きあがる快感に可那子はその身を委ねる。

そしてそんな可那子の中はキツく、グリムジョーに絡みつき、締め付けた。


「…っ、可那子…」

初めて逢った日…名前を聞いた時以来呼ばなかったその名を、グリムジョーは苦しげに呼んだ。


それに応えるように可那子が腕を伸ばすと、グリムジョーは噛みつくように可那子にキスをした。

息ができないほどの激しい口づけに、可那子は必死に舌を絡めグリムジョーを抱きしめる。


「…っ！」

体をびくっと反応させ息を漏らしたグリムジョーは、次の瞬間可那子の中に熱い白濁を吐き出した。


「――…」

グリムジョーはしばらくそのまま可那子を抱きしめていたが、その後どさっと体を横たえた。

腕に可那子を抱いたまま、仰向けになる。


その横で何となく気恥ずかしくなってしまった可那子はもそもそと体の向きを変え、グリムジョーの腕に額を押し付けるようにしながらうつ伏せになった。





そしてそのまま息を整えていた可那子は、ふと何かを思い出したように顔を上げ

「あ、あれね…半分、ウソだよ」

言いながら、持ち上げた上半身をグリムジョーの胸に乗せた。


「…何がだ」

その可那子の肩を支えながらグリムジョーが問い返す。


「あたしも…あたし自身も、グリムジョーを望んでたから…」

そう言ってはにかんだ可那子をグリムジョーはしばらく黙って見つめ

「…誘ってやがるのか」

と、可那子の肩を抱く手に力を込めた。


「ちっ違うよ…っあ、や…んぅっ」

空いた方の手も使って抱き寄せられ、唇をふさがれる。


「もう…」

ようやく解放された唇で可那子が抗議の言葉を発するより早く、

「乗れよ、可那子」

グリムジョーの手が腰に回され、体を持ち上げられる。


「や、グリムジョーってば…」

僅かな抵抗も空しく、可那子はグリムジョーにまたがる格好にさせられてしまう。


「…ここだ。ゆっくり腰落とせ」

そこにグリムジョーの屹立を宛がわれ、腰を掴まれる。


「あ…っ、やぁ…」

少しずつ可那子の中にグリムジョーが入り込み、

「ん…ふぅ…」

「…まだキツいな」

根元まで呑み込ませた可那子が小さく息をついた時グリムジョーが呟いた。


その声と表情から、聞かないと言っていたグリムジョーの『大丈夫か？』という言葉を感じ取った可那子は、

「平気…グリムジョーが、優しいから…」

少しだけ無理して、笑って見せる。


「じゃあ自分で動いてみな…こうだ」

グリムジョーは掴んだ可那子の腰を抜けそうになる直前まで持ち上げ、ぐっと引き下ろす。


「あぁ…んっ！」

一気に奥まで突かれ、可那子はその体をびくんと反応させた。

突かれるたび可那子は、背を弓なりに反らし声を上げる。


時には下からも突き上げながらそれを何度も繰り返した後、

「…できるか？」

グリムジョーは笑みを含んだ声で意地悪く訊いた。


「…っ、ムリ…」

しかし言い返す元気もなく、可那子はぐったりとグリムジョーの胸にもたれて浅い呼吸を繰り返すしかできなかった。