谷村正義
夢小説設定
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唇が触れる瞬間、体がびくりと震える。
イヤなわけじゃない。
好きで好きでずっと恋い焦がれていた彼との、3回目のキス。
きっと好きすぎて。
無意識に反応してしまう体に唇が離れてからも少し恥ずかしさを感じていたら、おでこをくっつけて彼がふ、と笑う。
「まだ、慣れねぇ?」
決してバカにした笑いじゃない。
気遣うような、愛おしむような、それでいて少し照れくさそうな。
胸の奥がきゅうと苦しくなる。
…好き、大好き。
「まだ、夢みたいで…」
顔を上げられないまま言う私に、彼が問う。
「じゃあもう少し刺激与えたら、夢じゃないって信じる?」
「え?」
訊き返す間に、私たちの距離はまた息が届くほどに近くなって。
突然重ねられた唇、そしてそのまま、予想もしていなかった熱が私の中に与えられた。
もう一度びくりと震えた体は、しっかりと彼の腕の中。
けれど初めての深い口づけにうまく応えられず、私はただ彼の服を握りしめてそれを受け入れることしかできなかった。
「わり、調子に乗りすぎた」
ようやく唇を離した彼に今度はぎゅっと抱きしめられて、頭をぽんぽんされる。
「いやだった?」
心配そうな彼の声に、その胸に顔を埋めたまま首を振る。
「少し驚いただけ、ですから…」
その後そう言いながら顔を上げたら、ほっとしたように笑った彼はまた――ついばむような優しいキスを、私の唇に落とした。
「…少し慣れたんじゃね?」
「――…っ、知りませんっ!」
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