堂島大吾
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「きゃあぁ!!」
目の前の時計の針が、私を一気に覚醒させる。
だけど体に回された腕によって自由を奪われた私は、起き上がることもままならない。
「ちょっ大吾離して、遅刻しちゃう」
自分だって起きなくちゃいけないはずなのに、もがいても大吾は腕を緩めてくれない。
「…休めよ」
「なに言って…無理に決まってるでしょ、」
「だったら車出してやるから、もう少し…」
大吾の言葉に反論しつつ、脳裏に浮かぶのは黒塗りの胴体の長い…いかにも、な車。
「それだけはいや!」
以前一度だけそれで迎えに来られた時、それからしばらくの間姐さんと呼ばれ続けたことを思い出し、私は即答した。
すると大吾は事もなげに言う。
「そのうち本当にそうなるんだから別にいいだろ」
「っ、それはそう…なのかもだけど…っ、ていうか!今はほんとにヤバイからっ!…って、あれ?」
先のことをさらりと言われ、だけど自分だけが焦ってる状況が悔しくもあったけど、今はそんなこと言ってる場合じゃないことを思い出す。
だけど同時に、引き剥がそうと掴んだ大吾の腕がすごく熱いことに気が付いた。
「やだ、もしかして大吾熱あるんじゃない?」
「気付くの遅いな…ああ、服を着ているからか」
言いながら私を解放したと思ったら、そのままなぜか服を脱ごうとする大吾。
「いやいや、脱がないでいいから!」
今度は逆に私が大吾の手を掴みながら、もう片方の手で携帯を取る。
職場に電話をかけ、具合が悪いので今日は休むと告げて仕事の引き継ぎをする私を、大吾は驚いたように見ていた。
「いいのか?さっき無理って」
「それとこれとは話が別。大切な人が苦しいのに、放っておけるはずないでしょ」
自分が言い出したくせに心配そうに訊いてくる大吾に、そう言って笑ってみせる。
「ここにいるから、安心して?」
これで大人しく寝てくれるかと思いひと安心したところで、
「あ、でも柏木さんに電話…って、ちょ、大吾…っ!」
私の体の自由はまた、大吾に奪われてしまう。
大吾に言わせると煽ったのは私らしいんだけど、私には身に覚えがない。
そう言って抵抗する私を、だけど大吾は熱があるとは思えないくらい激しく抱いた。
何か栄養のあるものを作ってあげたりもしたかったのに、体力を根こそぎ奪われた私は不覚にもそのまま眠ってしまった。
そうなってしまえば後はもう、風邪をうつされた私が寝込むハメになるのは――お約束。
(14,5,15)
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