07:むしゃくしゃして
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
派手な音を立ててリビングの扉が閉められる。
その音に驚いて弾かれたようにそちらを見ると、そこには不機嫌そうな顔の男が立っていた。
とは言えその男は決して不振な人間ではない。
「…お帰りなさい大吾さん」
すぐにほっとして表情を緩め、ただいつもならチャイムを鳴らす大吾がここにいることに少し違和感を覚えながらも可那子は立ち上がる。
「っ!?」
しかし大吾は何も言わず、近付いて来た可那子の顎を掴み強引に上向かせて唇を塞いだ。
そのまま抱き上げソファへ落とすと、
「や、あ…っ待ってくださ、大吾さ…っ、」
戸惑いの声を上げる可那子の服をブラごと押し上げ、そこに顔を埋めた。
片腕で腰を持ち上げたまま、もう片方の手でスカートの中からショーツを引き抜く。
普段の優しい大吾からは想像できない、強い力。
こわい、けれど何故か可那子は強く抵抗できなかった。
「――…っ!!」
愛撫などほとんど無いまま大吾を受け入れるには、多少の苦痛が伴う。
今の大吾は可那子を見ていない。
しかしそれでも可那子は声を殺し、苦痛に歪む顔を見せまいと大吾にしがみついた。
「…っ、ふ、ぅ…ん、ん…っ、あ、あぁ…っ!」
大吾に抱かれていること、そしておそらくは自己防衛本能として可那子の中は濡れ、痛みは少しずつ緩和されていくが…
「…っ、」
どちらのものか分からない吐息が漏れ、可那子の瞳からこらえきれなかった涙がこぼれ落ちた時、大吾は、自らの欲を可那子の中に吐き出した。
***
「すまない…!」
完全に自己嫌悪に陥った大吾は、苦しげにその言葉を繰り返した。
「大吾さんは、大丈夫ですか…?」
しかし小さく首を振った可那子の口から出たのは、そんな大吾を責める言葉ではなかった。
「大吾さんが理由もなくこんなことするはずないって、分かってますから…」
「しかし、こんなレイプまがいのこと…!」
大吾は自分を責めるどころか逆に気遣う可那子の言葉に驚く。
同時に、組同士のいざこざが絶えず理不尽な対応を求められ続けてむしゃくしゃしていたとは言え、やってはならないことをしたのだということを改めて痛感した。
しかしその言葉に対しても可那子は首を振る。
「大吾さんがつらい時、私が捌け口になれるなら…それでいいです」
「――…!!」
それを聞いた大吾は可那子を強く抱きしめ、絞り出すように言った。
「もう、二度としねえから…!」
「…他の人にも、しちゃダメですよ…?」
それに答え小さく笑った可那子も――…大吾の体を、強く抱きしめた。
むしゃくしゃして
(15,6,11)
1/1ページ