02:羨ましくなって
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「ね、大吾の初体験はいつ?」
5つ下の幼なじみからの唐突な質問に、大吾はコーヒーを吹き出しそうになる。
「なんだよ、藪から棒に」
「クラスの子がね、初体験したって騒いでたから」
問い返され、素直に答える可那子。
「……」
それを聞いた大吾はじっと可那子を見た。
「なあに?」
「いや、お前もそんなことに興味もつ年なのかって思ってな」
「そりゃそうだよ、だってもう高校生だよ?」
可那子の表情にわずかに焦りのようなものが滲む。
「なんだよ、羨ましいのか?」
「そう訊かれると…ものすごく、ってわけでもないんだけどさ」
今度は少しだけ恥ずかしそうに答える可那子を見て大吾はふん、と笑う。
「つーか、彼氏作る方が先なんじゃねえの?」
「大吾だって彼女いないじゃんか」
言われた可那子がむう、と頬をふくらませて反論するが、
「うるせ、俺はいないんじゃなくて作らねえだけだ」
という大吾の言葉を聞いた時に、何かを思いついた様子でぽん、と手を打った。
「じゃあ大吾が彼氏になってよ。そしたら…」
「…やれりゃ誰でもいいのか?」
予想通りの可那子の言葉を遮るように大吾が訊くと、
「そんなことないけど…やっぱあたし、羨ましかったのかな?でも大吾ならいいかなって思ったから」
可那子はそう答え、にこりと笑う。
更に何か言おうと開いた口を大吾はそのまま閉じた。
そして小さく息を吐き徐に立ち上がると、ベッドに腰掛ける可那子の隣に座る。
「さっきの言葉、後悔すんなよ…?」
「だい、…」
言いながら何か言いかける可那子の顎を掴むと、ゆっくりと顔を近付けた。
「…っ、」
大吾はそのまま可那子の吐息を呑み込むように唇を重ね、少しずつその口づけを深くしていく。
可那子の体から力が抜けたところで押し倒し両脇に手をついた大吾は、熱を帯びた瞳で可那子を見下ろした。
「もう、やめてやんねえからな」
見つめられそう言われた瞬間体が熱くなった気がして可那子は、うん…と小さく答え、大吾を抱きしめるため手を伸ばした。
羨ましくなって
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