15:意味を勘違いして
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可那子と品田は二週間前に付き合い始めたばかり。
可那子にとって品田は初めての彼氏で、品田にとって可那子は初めてのタイプ。
可那子は人懐こくて警戒心が薄く、知り合った時は今まで変な男に騙されなくてよかったね、と胸を撫で下ろすほどだった。
そんな可那子が、品田の部屋へ行きたいと言った。
可那子の興味が品田のプレハブ小屋にあることは分かっていた。
だから、男の部屋に来るってことの意味…分かってるの?などと余計なことは言わない。
「うわあ、ほんとにプレハブ小屋だね!!でもなんか隠れ家っぽくていい!!」
そう言って小さな部屋を見回す可那子。
そんな可那子が本当に可愛いと思うけれど、同時にここは自分の部屋でありやはり自分は男なのだと品田は痛感していた。
衝動的に目の前の小さな体、その細い腕を捕まえて、訊く。
「ね、キス…してもいい?」
一瞬目を見開いた後、可那子は無邪気に答えた。
「いいよ、フレンチなら」
「…、いいの?」
「うん」
答えを聞いた品田がもう一度確かめ、可那子が頷く。
品田はそれ以上何も言わず、可那子の頬を両手で包み身を屈めた。
そして静かに唇を重ねついばむような口づけを繰り返した後品田は、僅かに開いた可那子の唇から口内へと舌を滑り込ませた。
「――…っ!!」
驚いた可那子が逃げ出したいような素振りを見せるが、品田は手の力を緩めない。
「…っ、ふ…、ん、ぅ…っ」
舌を絡め取られ拙いながらもそれに応えてはみるが、何度も角度を変えては深く口づけられてうまく息ができない。
品田の手を引き剥がそうと腕を掴んでいた可那子の手は、そのうち縋るような動きに変わっていた。
それに気付いた品田が、ちゅ、とリップ音を残し可那子を解放する。
「な、んで…っ」
「ごめんね、びっくりした?でもこれがフレンチキスだよ」
話が違うと言いたげな可那子だったが、品田にそう返されて途端に顔を赤くした。
「うそ、あたし勘違いしてた!やだ恥ずかしいー…」
言いながら品田の胸に顔を埋める。
しかしそのままの体勢で頭をなでられながら可那子は、でもね、と呟いた。
「でもなんか不思議なの。なんだろう…、気持ち、よかったの…かな」
そう言って顔を上げ首を傾げる可那子の耳もとに、品田は囁く。
「じゃあもっと…気持ちよく、なろ?」
可那子は小さく、うん、と頷いた。
意味を勘違いして
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