10:仲直りして
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「…おかえり」
可那子が部屋に戻ると、品田はソファから立ち上がり可那子を出迎えた。
そこで足を止めたものの、可那子は何も言わず品田を見つめる。
冷戦状態に突入して5日。
そもそもの原因は品田が女の子に迫られているのを見てしまったからなのだが、そういう状況になってしまったことを品田は何度も謝った。
もちろん可那子としても、それが浮気だと思ったわけじゃない。
ただの嫉妬だと分かっているのに素直になれず、ただ歩み寄るきっかけを見失っていただけにすぎないのだった。
しかし、こんな状態は可那子だっていやだった。
だから今日こそはと意気込みつつ帰って来たのだが、品田に先を越されてしまう。
「お願い、こっち来て」
困り果て今にも泣き出しそうな、情けない顔で懇願する品田。
その表情に完全に毒気を抜かれた可那子は、素直に品田の言葉に従った。
品田の前に立ちおとなしくその胸に収まると、
「はー…、やっと触れた…」
可那子の頭に頬をすり寄せながら品田は、心底ほっとしたように息を吐いた。
「…っ、ごめ、」
「まだ怒ってる?」
その声にとても申し訳なくなってしまった可那子に、品田が不安げに訊く。
「ほんとにごめんね…でも信じて、」
続いた言葉に可那子は首を振り、自分を包む目の前の体に腕を回した。
「疑ってないから。あたしの方こそ、いやな態度とってごめん…」
「可那子ちゃんは謝らないで、俺が悪いの」
すると今度は品田がぶんぶんと首を振り、その後おそるおそるといった感じで訊ねる。
「…でも、もう許してくれたと思っていい…?」
そんな品田がなんだか可愛くてふふっと笑った可那子は、
「とっくに許してる、ごめんね。大好きだよ、辰雄!」
そう言いながら飛びつくように首に腕を回す。
それをやわらかく抱きとめた品田は、そのまま嬉しそうにその体を抱きしめた。
その後、どちらからともなく自然と重ねられる唇。
それはすぐに深い口づけになり、数日ぶりの唇を貪り始めた。
舌を絡め合えば、唾液が混ざり合いこぼれ落ちる。
歯列をなぞり吐息を呑み込んで、ふたりは深く深く口づけを交わした。
崩折れてしまいそうな膝。
それを支えるため可那子は品田にしがみついた。
その可那子の服に品田の手が滑り込み、ふくらみを包み込む。
ベッドに行くのももどかしく、ふたりは抱き合ったまま――…ソファに崩れ落ちた。
仲直りして
(15,3,5)
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