10.
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談話室に下りていくと、リリーは暖炉の前のソファーに座っていた。
先ほどソファーに座っていた生徒は、おそらく教室の方へ行ったのだろう。
リリーの深みのある赤い髪は、暖炉の炎によって赤く輝いていた。
私はゆっくりとリリーに近づき、ソファーのあいている空間に腰を下ろした。
「お待たせ。」
私がそう言うと、リリーは開いた教科書をパタンと閉じた。
そして私の方を向き、あの綺麗なグリーンの瞳を輝かせる。
私の姿を見て、リリーはにっこりと微笑んだ。
「ローブ、すごく似合ってるわ。」
「えっ、ほんと?」
「えぇ。」
綺麗に微笑んだリリーとその言葉に、思わず頬が赤くなる。
その言葉が本当なのか嘘なのかはわからない。
けれど、リリーは嘘は言わないだろう。
それを感じとり、恥ずかしくなった私は顔を俯かせた。
グリフィンドール寮のシンボルカラー、真紅。勇気の色。
それが私に似合っていると、リリーは微笑む。
心地いい気持ちが胸を満たしていった。
「ありがとう…。」
小さくそう言うと、リリーはふふっと笑った。
それからはあまり話はしなかったけれど、落ち着いたその雰囲気に不快感はなかった。
少しの間そうしていると、寮の扉が重い音をたてて開いた。
冷たい空気が談話室に流れ込み、それと同時に賑やかな声が入ってくる。聞き覚えのある声だった。
その声を聞くと、隣にいるリリーは顔を顰めた。
どうしたのだろう。そう思い、その声の方を振り返った。
目に入ったのはあの四人。主に話しているのは前を歩いている二人だ。
ジェームズとシリウス。そしてリーマス、ピーターだ。
ジェームズとシリウスは変に上機嫌で、何となく嫌な予感がした。
一人難しい顔をして黙ったままのリーマスが、その予感を不安げに掻きたてる。
隣にいるリリーに目を移してみると、顔を顰めたまま静かに用具を揃えていた。
「やぁ!」
その時、ジェームズの陽気な声がすぐそこで響いた。
私は反射的に顔を向けてしまい、あのハシバミ色の瞳と目が合う。
キラキラと輝いているその瞳は、遊び終えたばかりの子供の興奮のような色を見せていた。
「あ…ジェームズ。」
「アリス、部屋はわかったかい?」
「うん。リリーに教えてもらって。」
ジェームズの質問に、私は気にしていない様子を取り繕った。
嫌な予感。それはできれば外れてほしい。
私の言葉を聞くと、ジェームズは隣のリリーに視線を移した。
しかしリリーはジェームズのことを気にもしていないように手元を見つめている。
ジェームズはうずうずしたような様子で、その横ではシリウスがクックッと笑っていた。
リリーはジェームズ達に心を許していないが、ジェームズが好意をもっていることは確かだ。
見せびらかしの面があると言われているジェームズがリリーの注目を集めるために何をするのか。
それは、手に取るようにわかることだった。
「それにしても、君にも見せてあげたかったよ!」
ジェームズのその言葉。それを聞いた反応はそれぞれだった。
当のジェームズは瞳をキラキラと輝かせ、シリウスは声を上げて笑い出す。
ピーターはその空気につられたかのように薄く口元に弧を描いた。
リーマスは小さく顔を顰め、ぎゅっと口を紡ぐ。
リリーはピクと反応し、眉を寄せながら動きを止めた。
その皆の様子に、嫌な予感が当たったのだと感じる。
口を閉ざした私を気にもしていないように、ジェームズはシリウスに視線を送った。
「あんな仕掛けに引っかかるなんてね。笑っちゃうよ!」
「あの時のあいつの顔、忘れられねぇよな。」
「ハハッ!本当に、スニベルスは本にかじりついてるしかできないんだね。」
そう言って、二人は大きく声を上げて笑った。
"スニベルス "
彼らがつけた、からかうためだけの呼び名。
その言葉に、私は口の中でやっぱりと呟いた。
彼らの言うスニベルスは、セブルス・スネイプ。
リリーの幼馴染みで、彼らの嫌いな闇の魔術にのめり込んでいるとも言える人物。
悪戯仕掛け人の主な標的 だ。
ジェームズは笑いながら、リリーへちらと視線を寄越している。
間違った自己主張。子供のようなその行動に、私は小さく眉を寄せた。
そんなことを続けても、リリーは振り向きはしないのに。
すると突然、リリーが勢いよくソファーから立ち上がった。
我慢ならないというようなその様子に、思わず目を瞬く。
「アリス、行きましょう。」
「っ、」
はっきりと通るその声は、とても冷たいものだった。
ジェームズ達に見向きもせず、リリーは私の手を引く。
ソファーから前のめりになるように、リリーに引かれて足を踏み出した。
突然のことに戸惑ってしまうが、リリーの気持ちにも頷けた。
そんな私はただ静かに、リリーの歩みに従っていることしかできなかった。
談話室から外に出る扉をリリーが開く。
その時ふと私は後ろを振り返った。
ソファーの近くにはまだあの四人がいて、ジェームズは呆然と立ち竦んでいた。
寮から出ると教室へ向かうために、気まぐれに動いている階段に足を乗せる。
ピリピリとした雰囲気をしていたけれど、その静寂を断ち切ったのはリリーだった。
リリーは深いため息を吐き、私に困ったような顔を向けた。
「突然、ごめんなさい…堪えられなくて。
昔からああなの、あの人たち。」
「ぁ…うん。」
「目立ちたがりで、自慢家なのよ。それに、…。」
「?」
「…本当に、関わらない方がいいわ。」
リリーはおそらく、セブルスのことを言おうと思ったのだろう。
けれど口から出る前に自制したのだ。
静かに言い放ったリリーに、私は曖昧に微笑んだ。
これだけは、どうしようもない。
そう思いながら微笑み、私はリリーの言葉に返事をしなかった。
向かっている先は、魔法薬学の授業。スリザリンとの合同だ。
また時が悪い。そう思い、私は小さくため息を吐いた。
初めての授業。本来なら楽しみなはずなのだが、なかなか気分が上がらない。
いつまで私はホグワーツにいられるのだろう。
ぼんやりとそんなことを考えながら、リリーの後について教室へと向かった。
先ほどソファーに座っていた生徒は、おそらく教室の方へ行ったのだろう。
リリーの深みのある赤い髪は、暖炉の炎によって赤く輝いていた。
私はゆっくりとリリーに近づき、ソファーのあいている空間に腰を下ろした。
「お待たせ。」
私がそう言うと、リリーは開いた教科書をパタンと閉じた。
そして私の方を向き、あの綺麗なグリーンの瞳を輝かせる。
私の姿を見て、リリーはにっこりと微笑んだ。
「ローブ、すごく似合ってるわ。」
「えっ、ほんと?」
「えぇ。」
綺麗に微笑んだリリーとその言葉に、思わず頬が赤くなる。
その言葉が本当なのか嘘なのかはわからない。
けれど、リリーは嘘は言わないだろう。
それを感じとり、恥ずかしくなった私は顔を俯かせた。
グリフィンドール寮のシンボルカラー、真紅。勇気の色。
それが私に似合っていると、リリーは微笑む。
心地いい気持ちが胸を満たしていった。
「ありがとう…。」
小さくそう言うと、リリーはふふっと笑った。
それからはあまり話はしなかったけれど、落ち着いたその雰囲気に不快感はなかった。
少しの間そうしていると、寮の扉が重い音をたてて開いた。
冷たい空気が談話室に流れ込み、それと同時に賑やかな声が入ってくる。聞き覚えのある声だった。
その声を聞くと、隣にいるリリーは顔を顰めた。
どうしたのだろう。そう思い、その声の方を振り返った。
目に入ったのはあの四人。主に話しているのは前を歩いている二人だ。
ジェームズとシリウス。そしてリーマス、ピーターだ。
ジェームズとシリウスは変に上機嫌で、何となく嫌な予感がした。
一人難しい顔をして黙ったままのリーマスが、その予感を不安げに掻きたてる。
隣にいるリリーに目を移してみると、顔を顰めたまま静かに用具を揃えていた。
「やぁ!」
その時、ジェームズの陽気な声がすぐそこで響いた。
私は反射的に顔を向けてしまい、あのハシバミ色の瞳と目が合う。
キラキラと輝いているその瞳は、遊び終えたばかりの子供の興奮のような色を見せていた。
「あ…ジェームズ。」
「アリス、部屋はわかったかい?」
「うん。リリーに教えてもらって。」
ジェームズの質問に、私は気にしていない様子を取り繕った。
嫌な予感。それはできれば外れてほしい。
私の言葉を聞くと、ジェームズは隣のリリーに視線を移した。
しかしリリーはジェームズのことを気にもしていないように手元を見つめている。
ジェームズはうずうずしたような様子で、その横ではシリウスがクックッと笑っていた。
リリーはジェームズ達に心を許していないが、ジェームズが好意をもっていることは確かだ。
見せびらかしの面があると言われているジェームズがリリーの注目を集めるために何をするのか。
それは、手に取るようにわかることだった。
「それにしても、君にも見せてあげたかったよ!」
ジェームズのその言葉。それを聞いた反応はそれぞれだった。
当のジェームズは瞳をキラキラと輝かせ、シリウスは声を上げて笑い出す。
ピーターはその空気につられたかのように薄く口元に弧を描いた。
リーマスは小さく顔を顰め、ぎゅっと口を紡ぐ。
リリーはピクと反応し、眉を寄せながら動きを止めた。
その皆の様子に、嫌な予感が当たったのだと感じる。
口を閉ざした私を気にもしていないように、ジェームズはシリウスに視線を送った。
「あんな仕掛けに引っかかるなんてね。笑っちゃうよ!」
「あの時のあいつの顔、忘れられねぇよな。」
「ハハッ!本当に、スニベルスは本にかじりついてるしかできないんだね。」
そう言って、二人は大きく声を上げて笑った。
"
彼らがつけた、からかうためだけの呼び名。
その言葉に、私は口の中でやっぱりと呟いた。
彼らの言うスニベルスは、セブルス・スネイプ。
リリーの幼馴染みで、彼らの嫌いな闇の魔術にのめり込んでいるとも言える人物。
悪戯仕掛け人の主な
ジェームズは笑いながら、リリーへちらと視線を寄越している。
間違った自己主張。子供のようなその行動に、私は小さく眉を寄せた。
そんなことを続けても、リリーは振り向きはしないのに。
すると突然、リリーが勢いよくソファーから立ち上がった。
我慢ならないというようなその様子に、思わず目を瞬く。
「アリス、行きましょう。」
「っ、」
はっきりと通るその声は、とても冷たいものだった。
ジェームズ達に見向きもせず、リリーは私の手を引く。
ソファーから前のめりになるように、リリーに引かれて足を踏み出した。
突然のことに戸惑ってしまうが、リリーの気持ちにも頷けた。
そんな私はただ静かに、リリーの歩みに従っていることしかできなかった。
談話室から外に出る扉をリリーが開く。
その時ふと私は後ろを振り返った。
ソファーの近くにはまだあの四人がいて、ジェームズは呆然と立ち竦んでいた。
寮から出ると教室へ向かうために、気まぐれに動いている階段に足を乗せる。
ピリピリとした雰囲気をしていたけれど、その静寂を断ち切ったのはリリーだった。
リリーは深いため息を吐き、私に困ったような顔を向けた。
「突然、ごめんなさい…堪えられなくて。
昔からああなの、あの人たち。」
「ぁ…うん。」
「目立ちたがりで、自慢家なのよ。それに、…。」
「?」
「…本当に、関わらない方がいいわ。」
リリーはおそらく、セブルスのことを言おうと思ったのだろう。
けれど口から出る前に自制したのだ。
静かに言い放ったリリーに、私は曖昧に微笑んだ。
これだけは、どうしようもない。
そう思いながら微笑み、私はリリーの言葉に返事をしなかった。
向かっている先は、魔法薬学の授業。スリザリンとの合同だ。
また時が悪い。そう思い、私は小さくため息を吐いた。
初めての授業。本来なら楽しみなはずなのだが、なかなか気分が上がらない。
いつまで私はホグワーツにいられるのだろう。
ぼんやりとそんなことを考えながら、リリーの後について教室へと向かった。
