ふたりで、未来を走る
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なまえが目を覚ましたとき、窓からやわらかな朝日が差し込んでいた。
白いカーテンが、そよそよと風に揺れる。
横を見れば、涼介がソファにもたれて本を読んでいた。
こちらを見ているなまえに気づくと、ゆるく笑って目を合わせる。
「おはよう、なまえ。…眠れた?」
「ん…うん。…涼介くんは?」
「お前が寝息立てるまで見てた。…安心した顔してたから、俺も安心したよ」
くしゃっと照れくさそうに笑う涼介の声は、朝の空気に溶けるように優しかった。
なまえは小さく体を起こして、薄手の毛布を引き寄せる。
「…なんでそんなに優しいの?」
ふと、そんな言葉がこぼれた。
「お前が、優しさでできてるような子だからかな」
「え?」
「…たぶん、お前の強さも、弱さも、そういう全部が…俺の心の奥に届いたんだと思う」
涼介はそう言って、ベッドに歩み寄り、そっとなまえの髪を撫でた。
「それでも…たまに怖くなるの。こうして“好き”が続いてくれるのかなって」
「怖いと思うのは、お前が本気だから。…だったら、俺が証明していくよ」
涼介の手が、なまえの手に重なる。
温かい。包み込むような愛の形が、そこにあった。
「なまえ」
「…うん」
「俺たちは、“恋人”になったけど、きっとこれから“家族”にもなる。それまでに、たくさん思い出を作ろう。ただ隣にいるだけで、安心できるような、そんな日々を」
なまえは、言葉の代わりに涼介に体を預けた。
胸の奥に、しんと響くような静かな幸せが広がっていく。
こんな朝が、ずっと続けばいい。
そう思わせてくれる人が、すぐ隣にいる。
それだけで、世界はやさしい。
恋に落ちたあの日より、ふたりは今、もっと深く繋がっていた。
(つづく)