ずっと大すき、ダクロしゃま

「デイタ…久しぶりね。会いたかったわ」

あれからデイタとジェーンはスティルに会いにラグースのアジトに訪れた。
結局ダクロは自分の村へ帰っていったようだ。

スティルに挨拶がてらにハグをされるデイタ。

「あ、あぁ…久しぶりだな…」

「おい、てめえ。デイタから離れろですわ」

「あーやだやだ。怖いわー。ジェーンお嬢の前では男の姿の方が安全だな」

デイタから離れてセクシーな女性の姿から男性の姿へ変えるスティル。
スティルは姿を自由に変えられる能力の持ち主でもある。

「…で、何の用だ?俺の仕事にまたケチをつけにきたのかい?」

「いいや…探している人がいて何か知らねぇか聞きにきたんだ」

「この女の子の両親を探しているのですわ」

スティルに女の子の写真を見せるジェーン。

「あぁ…ジェーンお嬢が世話している実験体の女の子か…
残念だな…その子は両親に会うことはできない」

「…何か知っているのですわね」

「知っているも何も…おっとこれ以上は言えないな。
言ってしまったらお前らは怒るからな」

「…!
まさか…両親を…」

「おー怖い怖い」

大鎌でスティルに攻撃をするジェーン。
スティルは刀でたやすく受け止める。

「スティル…俺たちは戦いに来た訳じゃねぇんだ」

「お前さんも残酷な男だ…
非道なことしか知らない俺たちにもう非道なことをするなだなんて」

「…お前が優しい奴なのは知っている。何か言えない事情でもあるのか?」

「相変わらず真っ直ぐな目をしているな…
まあ、お前さん達なら何とかできるかもしれな」

「回りくどいですわよ」

「分かった分かった。
教えるから武器をしまっておくれよ」

容赦無く斬りつけてくるジェーンにお手上げなスティルは二人を違う部屋へと案内する。
そして部屋の扉の前で立ち止まり話しかける。

「ここから先は二人でどうにかしてやってくれ。
俺にはどうにもできなかった」

「…スティル…分かっ」

「無責任なこと言ってんじゃないですわ」

スティルの胸ぐらを掴み持ち上げるジェーン。

「………。」

「おいおいおい、ジェーン?!やめるんだ!!
…胸ぐら掴むの癖みたいなんだ…許してやってくれ」

「…お前さんも大変だな。入るぞ」

そう言い扉を開けるスティル。
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